非日常的な日常

第五話

命をかけたクイズ

『じゃあ始めよう!まずヒントを出すからそれで何とかしてくれ。解除について言うと爆弾処理班がやるような事じゃないから。見つけられたらほぼ解除できたも同然だよ。
早速一つ目、?+栗=6。柿−?=5。
これは簡単だったかな〜。という事でおまけして一時間あげよう。これを見るとタイマーが作動するから今からちょうど一時間後だ。一つ目で終わるなんて事にならないよね?』
 …一時間か。長そうで短いな。
「私はこれを先生達に話して生徒を避難させに行くよ。この小型爆弾を見れば多分わかってくれる」
「お願いしますね、お姉さま」
 令ちゃんが言うんだから悪戯だとは思われないだろう。令ちゃんは勢いよく扉を開け走っていった。階段がものすごい悲鳴をあげている。
「さてと…祐巳さんに志摩子さんに乃梨子ちゃん。三人とも避難した方がいいわ」
「何で?由乃さんも逃げようよ。もしかして…あんな強制参加とかいう言葉気にしてるの?」
 いや…
「由乃さんだけに危険な思いはさせられないわ。私達も残って一緒に探すのよ」
 いや…
「そうですよ由乃さま。三人寄れば文殊の知恵って言うじゃないですか」
 でも私の近くは…
「…じゃあ…どこにあるかを皆で考えよう。爆弾には私一人で行くわ。この時計が関係あるらしいから」
「でも由乃さん一人は危険じゃ‥」
「祐巳さん!!」
「な何?」
「…ごめん。一人で行かせて」
「うん…」
「由乃さま…?」
 だって。
 ただでさえ私のせいなのに、これ以上巻き添えにしちゃいけない。
 そう。 
 これ以上は。
「‥では時間の制限もあるし問題について考えましょう」
「そうね志摩子さん。まず?+栗=6。柿−?=5の『?』の所には同じものが入るはずよね?」
「そう考えるのが普通でしょうね。でもここに入る文字が何であれ、それだけでこの学校の中のどこにあるかなんて
判るのかしら」
 そうだ。情報が少ない気がする。
 …残り45分、爆発まで。
「『?』の中も何か食べ物かな?」
「そうかもしれないけど決めつけてかかると判断が鈍るわ。何か共通点とかないかな」
 物事は最初の印象が大事なんて言うが、私は信じていない。
 人間なんてまさにそうだと思う。フィーリングで判断されたら迷惑極まりない。
「柿と栗の共通点かぁ…」
 う〜ん、と祐巳さんが頭を抱える。
 柿、栗、柿…、なんてぶつぶつ言っていた。
「乃梨子ちゃんは何かわからない?」
「そうですね…氷室って人はどんな人でしたか?一度も私会った事ないんですよ」
「どんな人って…?」
 急になんでこんな話なんだろう。
「その人だったらどんな事をするかな、とかその人の気持ちで考えれば何かわかるかと思ったんです」
「なるほど。あの人は教師の時は結構面白い人だったな。人気もあったし。授業中は親父ギャグでみんなを笑わせてたというか失笑させてたというか」
「猿蟹合戦!」
 …祐巳さんが何かすごい事を言った。
「何言っているの?」
「猿蟹合戦には柿も栗も出なかったっけ?」
「確かにでたわね。猿の柿の種と蟹の握り飯を交換して、蟹が貰った種をまく。柿の実がなると蟹は採れないので猿が採る。でも猿は熟した物は自分で食べてしまい、渋柿は落として蟹を殺してしまう。悲しみ怒った蟹の子は臼、杵、蜂、栗の助けで仇を討つ…だったかしら」
「志摩子さん詳しいですね」
「そう?」
 ‥うん、そんなに詳しくは覚えてなかった。
「で、何が猿蟹合戦なの?」
「え?えっと…」
「でもこうゆう方向で合ってると思うわ」
「足し算と引き算の答えが数字として出てるという事は、『?』と『栗』、『柿』は数字を表してるんじゃないかしら」
「さすが志摩子さん!数字を表してる栗と柿か…生産数、消費量、…?やっぱり難しいね」
「ところで由乃さま、後何分ですか?」
 言われて気付く。
 まずい事に。
「まずいわ、後30分切ってる」
「そ・それってとってもまずいですよね」
「今度こそわかったよ!」
「何祐巳さん?」
 祐巳さんの目が生き生きとしている。これは期待できそう。
「桃栗三年柿八年、じゃない?」
「…うん。そうか。そうすれば桃+栗=6、柿−桃=3になるわ!」
「凄いわ、祐巳さん!」
「祐巳さま頭いいです!」
「いや…偶然よ偶然」
 祐巳さんたら謙遜しちゃって。
「『?』が桃だって言うのはわかったけど、まだどこに爆弾があるかわかってないしね」
「そうね祐巳さん。この勢いでそれも当ててくれない?」
「え?桃…桃…桃…」
 さすがにそこまでは多くを求めすぎか。でも時間がそろそろまずい。
 また階段が悲鳴をあげている。令ちゃんが帰ってきたようだ。
「ふぅ…なんとか避難させるように頼んだよ。でも私達も避難しないと駄目だって、当たり前だけど」
「爆弾の解除にはこの時計が必要だから私は残るわ」
「そんな時計外して後は警察に渡して任せよう。由乃がそんな危険な事しなくてもいいんだよ」
「でも…外せないの。二つのせいで。まず時計が外そうと思っても外れない。あと、…いや、とにかく私はやるしかないみたい」
 そう。私だけは命がけでやるしかない。
「こんな無駄話してないで早く解かないと!」
「………」
 令ちゃんは全然納得してなかったが時間がなかったので解読にかかった。
「『?』が桃だって分かったんだね?桃栗三年柿八年か…『?』の『桃』が『3』として働いてるなら桃三年…三年桃組じゃない!?」
「…うん!それなら合ってる!」
「令さますごい!」
「そうとなったら急いだ方がいいわ」
「うん、じゃ今から行って来るね」
 急がないと間に合わないかも。一つ目でこれでは先が思いやられる…                


「失礼します。あの私、…あれ?」
 もうすでに避難した後らしく教室は閑散としていた。
 さてと。それより私で解除できるのか?
 今更ながら不安になってきた。走って教室に来る途中隠し場所の目星はつけてた。案の定、教卓の中に箱がある。思ったより小さくて驚いた。
「これどうするのかな?」
 とりあえず時間もなかったので箱を開けてみる。すると中には爆弾です、みたいに時間が減ってく時計や配線とかがたくさんあった。大量の配線の間に四角いスペースがあり、箱の蓋には「島津さんの指紋で爆弾は解除できる。他人では即爆発。爆弾解体は絶対にできない。俺の創った最高傑作だからね」なんてある。
「えい」
 四角いスペースに指を入れてみると時計は止まった。止まると同時に腕時計のアラームが鳴り、また文字が出
てきた。
『おめでとう!どうやら一つ目はクリアしたようだね。』
 時計の文字を読みながら皆のいる薔薇の館に戻る。爆弾を持って行くのはどうかと思ったけど。
『まぁ島津さんなら解けるとは思ってたけどね。あと警察なんかに任せないで自分でやるのも偉い。そのためにあれを言ったんだよ。』
 …知ってるよ。それ位。
 だから私は一人でやりたかった。しかしそんな気持ちとは逆に薔薇の館に着いて扉を開ける。
「由乃!…平気だった?」
 令ちゃんが心配そうに近寄って来た。
「ええ、なんとかね。それより二つ目が出るわ」
『じゃあそろそろ前菜も終えてメインディッシュと行こうか。
《曜官区》  1,私はいつもみんなを見ている。2,みんなも私をいつも見ている。
さて、これは何だ?これは少し難しいから一時間半あげよう。まぁ俺にとってのこれだ。一時間半は意外と短い
から早く行かないとヤバイよ?』
「どどど」
「どうしよう」
 今コントをしてる場合じゃないんだけど祐巳さん、令ちゃん。
「心配しないで、きっと脅しよ。皆で考えればさっきみたいに何とかなるわ」
「そうね。前向きに考えましょう」
 …志摩子さんがいてくれて本当に助かる。場の空気を落ち着けてくれる。
「二つ目からすると私達は皆見たことがある事になるわよね、しかもいつも」
「この学校でそんな物と言ったらマリア様しかないんじゃないでしょうか」
「そうね乃梨子。確かにそれならいつも私達を見ているというのにも当てはまるわね。さすがよ。」
「‥志摩子さん程じゃないですよ」
 あー、乃梨子ちゃんまで真っ赤になっちゃって。二人だけの世界にいっちゃってるよ。そんな場合じゃないでしょーに。
「…えっとじゃあマリア様という事で決定だよね?」
「ちょっと待ってよ、それじゃ簡単過ぎない?あいつは難しいって言ってたんだよ。それに、《曜官区》は?これだけわざわざ漢字だったよ?」
「なら令ちゃんはマリア様じゃないとしたら答えは?」
「それはわかんないけど…」
 をいをい…お姉さま。
「あいつがただ単に私達を見くびってたんじゃない?それに私もマリア様だと思うし。皆がいつもお祈りするマリア像の所なら爆弾は簡単に隠せるよ」
「う〜ん…じゃあ私も行くよ」
「えっ!?駄目よ」
「何で」
「それは‥危ない‥から」
「なら尚更行かないと。前にも言ったけど由乃を守るのが私の役目なのよ。それに嫌な予感がする」
 ここで時間をかけるのは危険なので渋々OKした。まぁいざとなったら―――
「そろそろ三人とも避難した方がいいわ。多分メインとか言ってたし最後だと思うから」
「そうだね。後は私達で解除してくるだけだから」
「うん、気を付けてね由乃さん、令さま」
 祐巳さんがギュッと手を握ってきた。
 ‥大丈夫。
 絶対に皆は護るから。
 そしてマリア像の所に行くために別れた。              


「ねぇ由乃、何か隠してない?」
 走ってる途中唐突に聞いてきた。
「え?ないよ」
「…そう」
 これだけで会話は終わってしまった。
 
 …だって言えないよ。こんな事。
 そうこうしているうちにマリア像の前に来た。マリア様ごめんなさい、と言い柵の中に入った。しかし探しても一向に見つからない。
「令ちゃんあった?」
「ない。そっちは?」
「ない…」
 令ちゃんの言った通り間違ってた…?
「由乃これ見て!」
 何か折られた紙を持って来た。
「『ここは違うよ』…?」
「やられたね‥」
 まずい、相当まずい。大幅に時間をロスした。
「ここは、って言うくらいだからマリア様は合ってたみたい」
「そうでもなきゃここまで準備してないだろうしね。他にマリア様と言ったら…お聖堂?」
「だね。急ごう!」
「うん」
  お聖堂に着いた頃には残り約40分になっていた。
「手分けして探そう。私はこっち側を見るから令ちゃんはそっち側ね」
「わかった」
 探しても探してもなかなか見つからない。
 まさかここも間違ってる?そもそも令ちゃんの言った通りこんなに簡単な事じゃなかった?
「ねぇ由乃。そういえば何で爆弾を探すなんて危険な事を一人でやろうとしたの?お姉さまみたいに面白そうだから、はないよね?」
 探してて気付かなかったのかすぐ後ろにいた。
「だって私のせいじゃない。だから皆まで危険な目に遭わせられないし、解除にはこの時計のヒントと私の指
紋が必要なのよ」
「別に警察にでも探させて由乃が後から解除するんでもよかったよね?」
「……」
「由乃やっぱり私に何か大事な事隠してるでしょ!もう時間がないんだよ!?」
 バッと紙を見せた。
 そこにはさっきと同じ事が書かれていた。
「それを見つけてたなら早く言ってよ!もう他にマリア様なんて思いつかない…」
「話をそらさないで!」
「…ごめん。でも今は探すのが先よ。そうしないと元も子もなくなる」
「元も子もなくなる?」
「…平気よ。最後の一つを見つければ全てが終わる。ごめんね、私の事が心配なら早く考えよう」
「…後でちゃんと教えてね」
 残り20分弱。
 マリア様と言う事自体は合ってると思う。何か足りないのか。
「あいつ最後に何か言ってなかったっけ?」
「私もそれが気になってたのよ。確か『俺にとってのこれだ』とかじゃなかった?」
「…俺にとってのこれ…?俺にとってのマリア様?って事?《曜官区》…この漢字の形って…」
「形がどうかしたの?」
「カタカナが含まれてる、かな」
「曜はヨ・・官はウ…区はメ?ヨウメ?」
「区は…メじゃなくて…外側を反対にしたら…コじゃない!?」
「ヨウコってなに?」
 そうだ。
 元紅薔薇さまファンだって言ってた。
 これが間違っていたらもう終わりだ。
「水野蓉子さまって何組だった!?」
「椿組だよ。何かわかったの?」
「三年椿組にあるわ!」
 そう言い残し走った。
 令ちゃんもすぐに追い付いたから言い残した、とは言えないか。
 残り10分の所で爆弾を見つけた。
 推理は間違ってなかったみたい。急いで指を入れて解除をする。
『おめでとう!難しいメインもクリアしたね。さすがだよ。
うん、さすが、だけどつまらない。
だからね。
おまけ。
メインディッシュとは言ったけど最後の一つとは言ってないから。デザートも必要でしょ?ま、デザートだから軽くしてあげるよ。でも爆破の規模は今までの比じゃない。校舎一つ吹っ飛ぶよ。
…じゃ3門目。カタイチョウゾク。
だけだよ。時間は30分!』
 30分か。いきなり短くなったって事は今までのよりはるかに簡単だろう。
「…由乃。最後の一つじゃなかったね。さっき教えてくれなかった事教えてくれてもいいんじゃない」
 もうこれ以上はぐらかすのは無理かな‥
「わかった。時間がないから手短に言うわ。それで時間がないから質問はなし、受け入れて。‥私が爆弾を一人で探したのはこの時計のせい。もしこの時計が爆弾から半径1メートルの中にないのに解体とかされそうになると爆発するの。時計が。時間切れになっても隠された爆弾と私の時計が爆発する。だから私と一緒に探して時間切れになったら巻き添え受けちゃうでしょ?それに無理矢理時計を外そうとしても爆発。…だから。令ちゃんも逃げて。私が
‥なんとかするから」
 お願い。令ちゃん、逃げて。
 まもりたい、
 大好きだから。
「…ばか。何でそんな大事な事言わなかったの。私は信頼できない?」
「そ・そんなわけない!」
 令ちゃんがそっと抱きしめてきた。令ちゃんからしてくるのは珍しくて少しびっくりした。
「由乃。…逃げるわけないでしょ。たとえ巻き添えを受けるかもしれなくても行く。そんな事聞いてたって行ったし、実際に聞いたから絶対に行くよ。運命、なんて事ならそれもそれでいいじゃない。この先の運命を私が変えてみせる。二人一緒に生きてる運命に変えてみせる。万が一、いや億が一にでもどうにもならなかった時は由乃だけ寂しい想いはさせない。…私も由乃のために死ぬ。その時は、最後までまもりきれなかった私を許してね‥」
「…ありがと。私達ずっと一緒だもんね。令ちゃんとならどこへでも行ける気がするよ…」
「うん。…でもまだ私達は死ねない。じゃぁ、最後の一つを解こ!信じてれば希望はあるのよ」
「そうね!」
 涙を拭って言う。
 …ありがと。私、令ちゃんのためにまだ死ねないね  

「カタイチョウゾクって単語だと思う?」
「文だとは思いにくいね」
「カタイチョウゾクなんて単語は聞いた事ないからどこかで切れるのかな?カタ、イチョウゾク‥カタ、イチョウ、ゾク‥カ、タイ、チョウ、ゾク‥」
  う〜ん、さっぱりだ。
「カタイ、チョウ、ゾク‥カタイ、チョウゾク‥カタイチョウ、ゾク‥」
「氷室ってよく親父ギャグ言ってたんだよね?これもなんかの親父ギャグじゃない?だったら30分って短さも納得だし」
 そういえば前にも、かてーいか、なんて事言ってたっけ。
 …ん?かたい?
「ね、イカって漢字でどう書く?」
「海のイカだよね?鳥類の鳥に海賊の賊だよ」
「カタイチョウゾク‥かたい鳥賊‥かたいいか……かてーいかって事ね!」
「かてーいか?まさか家庭科?さむっ‥」
 …ま、それが親父ギャグよ。
 それより家庭科室は化学室のただの身代わりじゃなかったのか。灯台下暗し、ね…
 そして急いで家庭科室に行く。
 今日はホントよく走る。絶対明日筋肉痛になるよ…
 明日が来たらだけど。なんせ残り10分切ってる。死神がすぐそこまで迫っていると言ってもいい位だ。
 やっと着いたがここからも大変である。家庭科室で爆発の威力を高めるには多分ガスの近くがいいだろうと思い令ちゃんにもそこを探すよう言った。すると今までの二倍位の大きさの箱が見つかった。
「あったよ!」
「よかった、間に合ったね!」
「うん」
 箱を開けてみる。
 中にあるのは三色の導線。
 指紋で解除の部分はなかった。
「ど・どうゆう事?」
「どうしたの由乃?」
「指紋じゃないみたい…」
 メモがあった。
『これも見つけるとは大したもんだ。でもこれは今までのとは違う。運が必要だね。紅、白、黄の導線の内二本ハ
ズレで爆発。アタリを切ればこの爆弾が解除されるって事。文字通り、good luck!』
「…三分の一ね。令ちゃんは何色だと思う?」
「この三色は明らかに私達を挑発してるよね‥どの色が当たりかはわからないよ。氷室の好きな色なんて知らないし。由乃の決断に任せるよ」
「ずるい。人任せね。…まって。紅が好きかも。前に元紅薔薇さまファンだって言ってた。でもそれじゃ簡単な気がする‥」
 紅が好きっていうのはフェイクで、私が好きって言った黄色じゃない白、逆に裏をかいて私の言った黄色にする、それともやっぱり紅が好きっていうのは本当?
 ……無理だ。こんな事を考えるのは無駄だ。運、という事か…
 そういえば今日の運勢最悪だったな…確かラッキーカラーは白だったっけ。
「由乃あと何分?」
「…一分十九秒」
「……」
 氷室が好きって言った紅。
 今日のラッキーカラーの白。
 黄薔薇さまのつぼみの私。
 …人生最大の決断ってこれか。ふふ、笑えてくる。残りの人生あと数十秒かもね。
「…切るわ。時間もないし。何もせずに終わるなんて馬鹿らしいわ」
「‥何色を?」
「私は…黄薔薇さまのつぼみよ」
 黄色の導線が切れる
 …………爆弾は爆発しなかった。
「た、助かった?」
 するとピピピ、と腕時計が鳴る。
 
 …最初の一言が私を絶望の底に突き落とした  


『あ〜残念…』


 
黄薔薇放送局 番外編

江利子「紅、黄、白、三つの扉があります。さて、一つは……(バシッ)」
聖  「それはもうやったでしょうが!」
江利子「何をするのよ、もぅ」
聖  「同じネタを何度もやらない」
江利子「だってせっかく三択が出ているのだからここでももう一度モンティホールジレンマを……」
聖  「はいはい、また誰かをはめたいだけでしょ」
江利子「ぶぅ」
聖  「『ぶぅ』じゃないわよ」
江利子「今日の聖、蓉子みたい〜 つまんないわぁ〜(ジタバタ)」
聖  「(うっ かわいいかも)じゃなくてっ!」
江利子「ふふ〜ん、聖さんひょっとして私に惚れちゃいましたか?(ニヤニヤ)」
聖  「だ、誰があんたなんかに!」

……
……

令  「(双眼鏡で眺めながら)お姉さま、可愛すぎます! GJ!」
由乃 「ふぅ〜〜〜ん、令ちゃんはあんなのが好みなんだ…… へぇ〜〜」
令  「(滝汗)」