第二話

シンジパート


 

「行って来ます」

誰も居ない家に向かい挨拶するシンジ。

これは癖みたいなものでいつも言っている人は結構居るみたいである。

シンジの家から学校まではそれ程離れていない・・・。

歩いて10分も掛からないぐらいである。

その為ゆっくりと登校できる。

慣れ親しんだ学校への道。

しかし不運はいきなり訪れるものである。

だがそれが本当に不運なのか、はたまた幸福なのかはこれより分かることである。

学校まで後1分ぐらいでつくと言う時。

曲がり角から人が飛び出してくる。

シンジも曲がり角に近かったためぶつかってしまう。

「きゃぁ!?」

「うわ!?」

吃驚したシンジだが、ぶつかってきた人が倒れそうになったのでとっさに抱き留める。

抱き留めた状態がどんな状態かと言うと・・・。

分かっているとおり腰に手を回しキスできるような状態・・・。

「あ・・・ご、ごめん、大丈夫?」

だがこの辺りは流石?ですぐに手を離す。

「う、うん・・・私は大丈夫・・・その・・・有り難う・・・

頬を染めながら言うレイ。

「あ!?時間が・・・!?ご、ごめんなさい、急いでるので!」

そう言うとレイは頭を下げてから学校の方へと走っていく。

この時シンジは・・・。

(あの蒼い髪、赤い瞳・・・まさか・・・レイ?)

と、過去を掘り返していた。

だが、ハッとして時間が無いことを悟りシンジも走っていく。

 

 

何とかギリギリ学校に間に合ったシンジ。

「おはようトウジ、ケンスケ」

トウジとケンスケはシンジの中学からの悪友

「おはようさん、せんせ」

「おはようシンジ」

そして先生が来るまでの会話を楽しむ。

「シンジ、知ってるか?今日転校生が来るんだって」

ケンスケのいきなりの質問にシンジは少々驚く。

「転校生?いきなりだね・・・でもどっからそんな情報手に入れたんだよ」

(まさか・・・レイだったら嬉しいな)

心ではこんな事考えてたりする。

「学校にちょっとね・・・」

ケンスケの答えにシンジは呆れ返る。

ハッキリ言って犯罪だ・・・。

良い子のみんなは真似しないように。

意味が分からないのなら気にせず読んで頂戴。

「で?男なんか?女なんか?」

トウジが横から会話に参加する。

転校生が来ることは聞いていたらしい。

「女の子だよ・・・でも写真まで手に入らなかったなぁ」

呆れ返るシンジとトウジ。

(そこまでするか?普通・・・)

シンジの本音はここにある。

「可愛い子やったらえぇなぁ」

そんなトウジの何気ない言葉を何処からともなく聞きつける人物が居る。

そう、それはトウジが好きな委員長(爆)

「す〜ず〜は〜ら〜!あなた当番でしょ!花瓶の水を変えたの!!」

そう叫びながらトウジの耳を引っ張り引きずっていく。

「い、痛いがな委員長!」

こうしてトウジはヒカリの尻に敷かれ続けるのである。

「完全に洞木さんの尻に敷かれてるね・・・トウジ・・・」

「そうだな・・・」

友人の不運を拝む二人であった。

 

 

さてチャイムが鳴り朝のホームルーム・・・。

担任の葛城ミサトが入ってきた。

「諸君!静粛に・・・今日はいきなりだけど転校生を紹介する!」

ミサトの急な発言で生徒は狂喜?する。

「男ですか!?女ですか!?」

生徒の誰かが一番大事なところを聞く。

「女子は悲しめぇ〜!そして男子は喜べぇ〜!!もの凄い上玉だぞ〜!!」

オヤジ臭いことを連発する三十路一歩前。

「おおぉぉぉぉぉぉぉぉ!!」

ガラッとドアを開け入ってくるのはミサトの言うとおり上玉の女の子。

目に付く蒼い髪に深紅の瞳・・・。

「綾波レイです・・・よろしく!」

元気に自己紹介をするレイ。

「それじゃぁ1時間目は私の授業だから質問タイムにしてあげるわ!」

ミサトはそう言って窓の近くに椅子を持っていきどっかりと座る。

ちょっとオロオロとするレイ。

だが欲情(^^;している生徒達は質問を次々とする。

「今付き合ってる人居る!」

「趣味は何?」

等々色々聞いて回る。

その頃シンジは。

(やっぱりレイだ・・・可愛くなったなぁ

と呑気なものである。

これはある種の余裕なのか・・・。

様々な問いにレイは答えていく。

そして一段落がつくとミサトがレイの席を決める。

「それじゃぁレイちゃんには・・・」

この時男子の心の呟き・・・。

(((隣に来て!)))

一方シンジだけ。

(レイ、可愛くなったなぁ

まだ見ほれていた。

「そうねぇ、シンちゃん!貴方の隣が良いわね」

ミサトの言葉により男共の嫉妬の目がシンジに向けられる。

逆に女共はレイに向かって嫉妬の目を向ける。

レイは多少人と違う髪の色、目の色をしていても可愛い。

シンジもかなり人気が有る。

(ん?・・・レイが隣に座るの・・・?それは良かった

などと呑気な考えをしているのはかなりの大物なのか。

その間レイはシンジの隣へととことこ歩いてきた。

ミサト以下全員がなぜレイがシンジの事を知っているのか気にする者は居ない。

「シン・・・ちゃん・・・?」

レイが小さく呟く。

シンジはニッコリと微笑み答える。

「レイ、久しぶりだね

シンジの微笑みは女殺しの微笑み。

レイは既に幼き頃から微笑まれているのでグロッキーである。

「シンちゃん!(o)」

叫ぶや否やシンジにしがみつくレイ。

目はハートだが涙が零れている。

(レイ・・・そんなに押しつけちゃ駄目だよ

レイはレイで幸せそうだがシンジは2重の幸せを味わっているようだ。

ミサトも含めた生徒達は目が点になって二人を見守っている。

二人の赤い糸はこうして再び繋がったのである。

 

 


あとがき

いやぁ〜(^^;

言うほど長くないけどラブラブな二人です。

優しく見守って上げて下さい。

ではまた(^^;



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