碇シンジ幻想計画

第]V話 甦る伝説の必殺技

今回の緒言:♪飛ばせ、バスター・ホームラン

―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
今日はNERV野球大会。スポーツの秋だから、というのがミサトの発案の理由。
この街、いや日本は一年中夏の筈だが。
それはともかく、作戦部、技術部、諜報部…といった部対抗トーナメント戦が始まった。
で、主役は男性陣で女性陣は普通、応援に回るものだが、
ミサトはしっかり作戦部のキャプテンとして出場していた。
ちなみに作戦部のチアガールはチルドレン三人娘?の筈だったが、
青い衣装のレイと赤い衣装のアスカの二人しかいない。
むりやり紫のチアガールの衣装を着せられたシーナは恥ずかしくてトイレに隠れていた。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
「かっとばせーっ!ミ・サ・ト!!」
打席が回ってきたミサトはバットをセンター後方に向けて満塁ホームランを予告するが…。
飛んでいったのはボールではなくバットだった。(うーむ、鷹村ミサトと名付けよう。)
さて、汚名挽回の為にミサトは次なる競技を発表した。
「野球の次はボーリングよ!」
と意気込むミサトだったが、今度は昔執った杵柄とばかり、リツコの大活躍。
この街は本当に使徒に狙われているのか?
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
そんな時、使徒が現れた。それも、宇宙に。
「自分の身体をちぎって落としてくるなんて、まるで…。」
「ミサト、それ以上言うと気が抜けるからやめて。」
「で、どうするの?このままじゃ、落ちてきた本体を受けとめて倒すしか方法が無いけれど。」
「アイデアはあるわ。名付けて、エヴァ・ホームラン!」
リツコの考えた作戦とは、ATフィールドを球体にしてそれを使徒にぶつけるというものだった。
そして、エヴァ・ホームラン作戦はゲンドウに承認された。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
いつの間に作っていたのか、巨大なバットを持って三機のエヴァが地上に現われた。
「しかし、ホントにうまくいくの?そのオズマ作戦って。」
アスカは半信半疑だ。
「それはあんた達次第よ。ちなみに作戦名はエヴァ・ホームランだから。」
アスカはとにかく精神を集中し、ATフィールドが球体になるようイメージした。
「ATフィールド、収束していきます。」
やがて、弐号機の前に巨大なオレンジ色の光る球体が形成された。
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――
さらに、シンジとレイも精神を集中させ、球体のATフィールドを形成した。
「ようし、サダハル作戦開始!」
「エヴァ・ホームランよ。」
「行っけーっ!!」
弐号機が、初号機が、零号機が、手にしたバットでATフィールドのボールを天空に打ち上げた。
三つの目玉を打ち抜かれて使徒は消滅した。
「ねえ、シンジ。世界で一番多くホームランを打った人って知ってる?」
「王貞治だよ。868本も打ってるんだって。」 
「ところが、世界一の記録を載せているギネス・ブックでは、
 最多ホームランはハンク・アーロンの755本だって。」
「潔くないね。」
―――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――

今回の結言:2006年度版では、世界一ではなくてMLBで云々、となっていた。あざとい…。