碇シンジ幻想計画

第弐拾壱話 絶望と、祈りと

今回の緒言:そう言えば、最近サンデー・ジャポンは見てないな。

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ゼルエルを殲滅したエヴァ初号機。
だが、ありえない筈のシンクロ率400%という数値は、シンジを初号機に融合させてしまった。
「ゼーレにはどう説明するんですか?」
「初号機は我々の制御下ではなかった。これは不慮の事故だよ。」
「よってEVA初号機は凍結。…委員会の別命有るまではだ。」
「適切な処置です。が、しかし…ご子息を取り込まれたままですか?」
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だが、シンジを救出する計画は既に立案が始まっていた。
シンジの肉体は自我境界線を失って、量子状態のままエントリー・プラグ内を漂っている。
つまり、シンジの肉体を構成していた物質は全てプラグ内に保存されているし、魂というべきものも
そこに存在している。
そこで、シンジの肉体を再構成して精神を定着させるのだ。それがサルベージ計画だ。
だが、10年前にも同様な事故が起きており、その時のサルベージ計画は失敗していた。
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“シンジが帰ってきた時の為に…。”
“碇くん…チョコレート、用意しておくわ。”
アスカが、レイが、シンジの帰還を信じてバレンタイン・チョコを作り始めた。
それはミサトも、アオイも、カエデも、サツキも同じだった。
そして、人々がシンジ帰還を願って祈る中、サルベージは開始された。
だが…結局サルベージは失敗し、最悪な事にLCLがエントリー・プラグから流れ出てしまった。
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「うっ…ううっ…うっ…うっ…ううっ…シンジくんを返して…返してよ!!」
シンジのプラグ・スーツを抱きしめて初号機に怨嗟の絶叫をあげるミサト。
だが、シンジは帰還した。それも全裸で…。
「シンジくん…帰って来てくれたのね…。」
よろめきながらシンジの傍に向かうミサトだったが、その肩をリツコが掴んだ。
「ミサト…ドサクサにまぎれて何をするつもり?」
リツコの目は誤魔化せなかった。
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今回の結言:ショタコン女の前に全裸の美少年…「非常に危険です!」