間章

アスカ「そんなの嫌ああぁぁーーーっ!シンジ、帰ってきてええぇぇーーーっ!!」

 「アスカ!?」
 声はすれども姿は見えず。
 「…気のせいかな?」
 「いいえ。彼女が本当に貴方を呼んでいるのよ。」
 「呼んでいるって……。でも、僕は……。」
 「いいの。貴方が望むのなら、そのとおりにしていいのよ。」
 レイは微笑んでいた。
 シンジは涙をぼろぼろと溢した。
 「……ごめん、綾波……。」
 シンジの姿は消えた。

 「それでよかったのかい?」
 「……タブリス……。」
 「人として生きる……あの時、彼女にせっかくお膳立てして貰ったのに……。」 
 「いいのよ……後悔していない。私は望むままに碇くんに選んで貰った。幻だったけど、碇くんの子供を生む事もできた。でも、リリンに干渉してはいけないよね。」
 「リリンは誰も君と供に生きていく事はできない、か。」
 「彼女か貴方ぐらい、ね。」
 「君が望むのであれば、傍に居続けよう。」
 「……貴方に優しさを感じたの、初めてだわ。」