文明の章

第弐拾伍話

◆ロボットと少年少女

1月9日(土曜日)A.M.10:15、第3新東京市立第壱中学校。
何か教室が騒がしい。
「見て、あれ、窓の外。」
「なんやあれ」
「軍のトレーラーだ。」
「後ろの・・あれ、人じゃない?」
トレーラーの後ろに付いている檻の中にマナが入れられている。
「マナ!」
シンジは叫んだ。
直ぐに、3バカトリオは外へと飛び出した。
「マナァー!!」
「シンジィー!」
しかし、トレーラーは無情にも走り去った。


芦ノ湖湖畔のマンションの屋上からシンジはケンスケの双眼鏡で、部隊の中のトレーラを覗いている。
「良い双眼鏡だろ、ドイツ製だぜ。」
「日本製の方がええに決まってるやろ。」
「分かってないな〜」
「レンズが違うんだよ。」
ケンスケは双眼鏡の自慢をしているがそんなものシンジは聞いてはいない
「マナ!」
「行って来る。」
今すぐに飛んでいこうとするシンジは二人に引っ張られた。
「まてやシンジ。」
「1人じゃ無理だよ。」
「手伝わせてくれ。」
「でも・・・皆で行くと見つかっちゃうから。」
「この俺に任せない」
ケンスケの眼鏡が光った。


芦ノ湖の周りの森の中で、ケンスケとトウジは焚き火で煙を上げていた。
「シンジのやつ〜、上手い事やっとるかな〜」
「当然だよ、俺達が手伝ってるんだから。」
「又、あの双眼鏡で覗いてもええか?」
「駄目、見つかっちゃうよ。」


トレーラーは、
「マナ!」
シンジはトレーラーに駆け寄った。
「シンジ!」
「食料を持ってきたよ。」
シンジが食料をマナに渡そうとした時、芦ノ湖から水柱が上がり、ロボットが姿を表した。


戦車部隊、
「隊長、ロボットです。」
「わかっとる、撃てぇー」
湖岸に配置されている全860台の重戦車や軽戦車などから砲弾が放たれた。
ロボットに命中しなかった物は水中で爆発をし、大きな水柱を上げた。


トレーラー、
「シンジ、逃げて、撒き込まれるわ!」
「くそ、この檻さえ開けばマナを助け出せるんだ!」
一台の車がトレーラーの直傍に来て留まった。
ミサトの車である。
「シンジ君、エヴァを起動させるわよ。」
「本当ですか!」
「早く乗って!」
「必ず助けに来るよ!」
シンジが車に乗ると同時にミサトはアクセルを踏み込んだ。
危険ですので真似はしないで下さい。


P.M.0:01、東京帝国グループ総本社ビル、会長室。
空中に十数個の小型スクリーンが浮いていた。
「現在人質の状況は?」
『今のところは無事です。しかし・・・なにかあった場合救出しますか?』
「いや、未だ良い。」
『ネルフが、エヴァを起動させようとしています。』
「そちらは放って置いても良い」
『陸上自衛隊はロボットへの攻撃は続行します。しかし、30分以内に壊滅しそうです。』
「陸上自衛隊ではなく寧ろ」
「戦略自衛隊ですか?」
蘭子が言った。
「そうだ」
『本件に関しては未だ、日本政府は動いていません。』
『ですが、富士航空基地でNN爆弾を搭載したステルス戦略爆撃機が離陸の準備をしています。』
「外輪山を抜けた時の為でしょうか?」
「恐らくな。」
「榊原、25分以内にロボットを攻撃可能、且つロボットに対して有効なダメージを与えられる通常兵器はあるか?」
『残念ながら間に合いません。』
「吉川、地球連邦政府は?」
『天聖界の方では未だ、本件は重要な問題として取り上げられていません。』
「アメリカは?」
『アメリカ政府は、今回の事は、抗議文を送るだけに留める様です。』
「中国と朝鮮は?」
『朝鮮には未だ情報は殆ど伝わっていません。』
『中国政府は最悪の場合に備え、各海洋艦隊に対空及び対海装備をさせている最中です。』
「カプセルコーポレーションは?」
『カプセルコーポレーションは、今回の事に対しては敢えて行動は起さない用に決定しましたわ。』


P.M.0:12、ネルフ本部第1発令所、
「これは救出作戦よ、皆で協力してロボットの暴走を止めるのよ、もし失敗したら軍がロボットの頭上にNN爆雷を投下するわ。その時は中の少年も一緒に蒸発するでしょうね。つまり、少年の命を救えるかどうかは、貴方達次第と言うわけよ。」
『でも、ロボットが外輪山の外へ逃げ出したらエヴァでは追えませんよ。』
「その時はアンビリカルケーブルを切り離して追って、内部電源が切れても構わない。」
『電源が切れたら終わりじゃ無いの』
「各機射出口へ」


P.M.0:14、
トレーラーに向かってロボットは突き進んでいる。
『全車一斉射撃!』
道に並べられた戦車の戦車砲が火を吹いた。
「08式自走砲ロック完了」
「撃てぇー!!」
自走砲から無数の対地ロケット弾が発射された。
ロボットの周りにまでダメージを与えている。
トレーラーは少しずつロボットから後退している。
ロボットの機関砲がこちらを向いた。
「ホールドモードにして退避!」
隊員が次々に戦車から逃げ出した。
機関砲が放たれ一瞬にして戦車部隊が壊滅した。


第2東海道本線、
線路上を独12式自走臼砲が走行して来て止まった。
自走臼砲から誘導火砲がロボットに向けて放たれた。
ロボットに直撃しロボットはビルに突っ込んだ。
30階建て、全高143mのビルが倒れ、その下敷きになり民家や商店などが消滅した。
自走臼砲は第2射の準備をした。
しかし、ロボットの方からミサイルが飛んで来た。
第2射は放たれる事無く自走臼砲は光と爆煙と共に消滅した。


P.M.0:16、遂にトレーラーはロボットに捕まってしまった。


国際連合軍航空自衛隊の戦闘機が7機飛行して来た。
檻の中の少女の事などお構いなしに対地ミサイルを次々に発射した。
ロボットに直撃したが、ロボットの機関砲が放たれ、7機全て市街地に落下し、ビルや商店、民家などを薙ぎ倒し爆発を起こした。


P.M.0:17、エヴァ3機は配置についた。
初号機の前にロボットが現われた。
ロボットは手にマナが入っている檻を持っている。
「マナ!」
『如何したのシンジ君、早くロボットを押さえ込んで!』
「マナが」
『良いから早く体当たりしなさい』
「そんなマナが潰れますよ」
『このまま逃がしたら爆撃されて彼女は死ぬわ』
「今は無理です」
・・・
『初号機を下げろ、富士基地の血に飢えた爆撃機に出撃命令だ』
『しかし、碇司令』
『命令だ』
『・・・分かりました・・・青葉君、富士基地に状況を逐次報告して』
『はい』
「待ってください!」
『シンジ君、撤退命令よ。』
「嫌だ、僕が捕まえれば彼女は助かるんだ。マナを爆弾で焼き殺す気なの、父さん!!」
『葛城3佐、作戦は如何した?』
『アスカ、作戦スタート』
『行くわよ〜、うおりゃぁぁぁぁ!!!』
弐号機が突進して来ている。
『たあぁぁぁぁぁ!!』
「畜生、させるか」
初号機はロボットの頚部にプログナイフを突き立てた。
ロボットの機関砲が明後日の方向に放たれ市街地に凄い被害が出ている。
『シンジ君!』
『シンジ、邪魔よ!』
ロボットは初号機を振り払い、物凄い煙を上げながら飛行を始めた。
『ロボットが逃げ出すわ』
「マナ!」
『シンジ〜!』


零号機は、長尾峠で待機している。
『レイ、目標はそちらに向かったわ。御願い』
「・・了解・・」
零号機はパレットライフルを構えた。
ロボットが見えた。
零号機はパレットライフルをロボットに対して発射した。
劣化ウラン弾がロボット頭部に直撃する。
ロボットは零号機に急速接近して来た。
「拙い」
零号機はロボットに弾き飛ばされ山に激突した。
「痛っ」
零号機は直に体制を立て直しロボットを追った。
ロボットは外輪山を越え、御殿場市街へ向かっている。


上空5000m、戦略自衛隊ステルス戦略爆撃機、
「目標への距離の計測開始」
「弾倉を開きます。」
『カウントダウン開始』
「100」
「99」


初号機は停止したロボットに富士山の近くで追い付いた。
シンジは直に初号機を降りた。
「マナ」
「シンジ」
何時の間にか檻が壊れていて、マナが外に出ている。
「マナ・・」
ロボットからも少年が降りてきた。


上空、ステルス戦略爆撃機、
「投下」
『投下中止』
「もう投下してしまったぞ!」


地上、
マナは少年に抱き着いて話し始めた。
「私はシンジ君のことが好きでした。」
「パーティー楽しかったです。」
シンジは呆然と、只、聞いていた。「大勢でいっしょに色々するって楽しい事ばかりでした。」
「でも、もう終りにします。」
「貴方を楽にさせて上げます。」
「ゴメンナサイ」
「さよなら」
「シンジ君・・・」
上空から光の玉が落下して来た。
アスカがシンジを引っ張り弐号機のエントリープラグに入れた。
次の瞬間、NN爆雷が爆発し、辺りは光に包まれた。


シンジは、俯き、涙を流している。
「無茶しないでよ・・」
アスカも俯いている。
「彼女・・生きてるよね・・」
「諦めなさい」
・・・
「シンジさえ良ければ、私が霧島さんの変わりになっても良いのよ。」
・・・
シンジはそれには答えずに、エントリープラグから出た。
辺りはクレーターになっていた。
「何にも無い」
「ああ〜!私の弐号機ボロボロ〜」
「マナ!いたら返事してよ」
「後で探そうよ」
「駄目だよ、埋ってたりなんかしたら直に掘り起こさなきゃ」


クレーターの中心部には金属の塊があった。
「まさか・・・」
「高熱で溶けたロボットだわ・・・」
「違うよ、これはロボットじゃない・・・きっと逃げてったんだよ遠くに・・・」


夕方、ネルフ本部某所。
「僕はマナが生きていると思います。」
「そう」
「断定できるの?」
レイが尋ねた。
「止めなさいよ」
マナがいなくなった事でアスカに余裕が戻ったようだ。
「出来るよ、あのパイロットの少年は、マナを助けられる確信があったから彼女を引きとめたんだ」
「そう」


夜、レイは自宅の寝室で就寝し様としていた。携帯電話が鳴った。
「・・誰?」
『私だ、ロボットから射出された救命カプセルは東京帝国グループが極秘に回収した。』
「・・そう・・」
『シンジに言うかどうかは君の意志に任せる。』
「・・そう・・」
電話が切れた。
《神奈川県新横須賀市西区泰山町52−991−11泰山病院》
レイは液晶に表示された住所をじっと見詰め、何かを考えているようだ。


1月10日(日曜日)A.M.10:12、ミサトの家の近所の公園
シンジは手に持っていた空き缶を潰して少し離れたごみ箱に投げた。
空き缶はふちに弾かれごみ箱から少し離れた地面に落ちた。
俯いているシンジの視界に少女の影が入った。
「・・碇君・・」
「綾波か・・・」
「・・霧島さんの事・・知りたい?」
シンジは顔を上げた。
「マナの事知ってるの?」
レイは頷いた。
「教えて」
「・・・分かったわ・・」


A.M.10:43、第3新東京市駅、第2東海道線4番ホーム。
シンジとレイは上りの電車を待っていた。
休日と言う事で、ちらほら家族連れの姿も見える。
『4番ホームに10時48分発、東京ターミナルステーション行き急行が入ります。停車駅は、新横須賀、相模、相模以降は各駅に止まります。なお、当駅にて特急電車の待ち合わせを行います。』
電車がホームに入り二人は乗車した。
『3番ホームに10時46分発、東京ターミナルステーション行き特急が入ります。終点東京ターミナルステーションまで止まりません。』
やがて、電車は動き出した。


A.M.10:58、新横須賀駅、
二人は電車を下り駅からタクシーに乗った。


A.M.11:25、泰山町、泰山病院前。
病院に着くと、親衛隊員が待っていて、此方に頭を下げた。
「どうぞ此方へ、5階の特別室です。」


親衛隊員に案内され特別室に入るとベッドの上にマナがいた。
マナはシンジ達に気付き振り返った。
「シンジ君」
ある程度予測はついていたのか、驚きはしなかった。
「マナ・・会いたかった。」
「来てくれたのね。」
「有難う。」
マナの目が潤んでいる。
「彼は?」
「駄目だった・・」
マナは目を伏せた。その悲しみは、自分の代わりに犠牲に成ったからか、それとも、好きな者だったからかは分からない。だが、シンジは、無意識では、少年が死亡した事を喜んでいたのかもしれない。
「マナ、気をしっかり持って」
余裕が出来、このような言葉が出ることがその証明なのかもしれない。
「マナ、ここから逃げよう。」
「迷惑が掛かるわ。」
「マナを助けたい。」
「シンジ君・・・」
二人が病室で話している間、レイは病室の外で待っていた。
足音が近付いてきた。
「・・誰?」
耕一だった。
「私だよ。」
「二人は?」
レイは目線で二人は未だ病室にいると言う事を知らせた。
「後はあいつに任せよう。」
「・・誰?」
「加持、リョウジだよ。」
耕一は二人に気づかれない様にそっと帰った。


15分後、シンジは公衆電話から、ミサトのマンションに掛けていた。
『はい、葛城ですが』
シンジはミサトの声を聞き安心した。ミサトなら力になってくれる。マナを助ける事に協力してくれる。そう信じていたから、
「ミサトさん、マナを助けたいんです。」
『・・生きていたのね』
「病院からさらって来ました。」
『やるじゃない、家に連れてきなさいよ。協力するわ。』
シンジの勇気あると言うかなんと言うかな、行動を聞き、ミサトは面白がっているのか明るい声で言った。
「父さんには内緒にしてください。」
『そのつもりよ。』
シンジは受話器を戻した。
「・・私と一緒にいると目立つから・・・私は別で帰るわ・・」
「ゴメン。」
レイは駅の方へ歩いて行った。
レイを見送ってから二人はタクシーで第3新東京市に戻った。


P.M.6:01、葛城ミサト宅、居間。
シンジ、マナ、ミサト、アスカがテーブルについている。
「あの爆発から生きて帰ったなんて奇跡ね。」
マナが生きていた。そして、それをシンジが助けようとしている事が気に入らないのか、アスカの口調にはとげがある。
「皆さんには御迷惑をお掛けしました。」
「ここに霧島さんがいる事は絶対に秘密だからね、誰にも言っちゃ駄目よ。」
ミサトの言葉は、アスカに向けてであった事は明らかである。
「これから如何するかは、加持さんと相談して決め様と思います。」
「あいつか〜」
「あの人なら味方になってくれそうな気がするし」
「な〜に〜、私達が味方していないような言い方ね」
アスカはぐいっと、乗り出して悪態をついた。
しかし、アスカに関しては思いっきり事実であろう。
「まあまあ、加持君暇そうだし良いんじゃない。」
ミサトがアスカを諌めようとした時、チャイムが鳴った。
そして、扉が開き加持が入ってきた。
「暇じゃないけど退屈はしてるって処だ。」
盗聴でもしていたのだろうか?しかし、それ以前に、第3新東京市は、マギが自動管理しており、ネルフの人間は兎も角も、マギは、マナがここにいることは知っている筈である。
「加持さん」
「厳しい事を言うようだが、病院から連れ出したのは失敗だったな。」
「連れ出さなければ抹殺されていたかもしれないんですよ」
シンジの行動を咎めようとする加持に対し反論した。
「親衛隊が警備している病院の方が安全だっただろうし、軍にとって見れば、シンジ君が暗殺者のような者だ。」
「・・・じゃあ、マナを助けるにはどうすれば良いんですか?」
理由を説明され、何も言う事が出来なくなり、尋ねた。
「霧島マナを殺すのさ。」
「さっすが加持さん!過激〜」
その言葉をどう取ったのかアスカは嬉々とした声で加持を誉めた。
「冗談止めてよ。」
「殺すって・・・」
「名前を変えて別の人間として生きるのさ。軍の名簿と日本政府の戸籍から霧島マナの存在を抹消する。」
3人の表情は本当にそんな事が出来るのかと言った顔である。
「コンピュターだから簡単なんだなこれが」
「父さんや母さんとはどうなるんですか?」
「・・残念だが、他人になる。」
「これが屋根裏に隠れずに生き延びる数少ない方法なんだ。」
「マナは助かるんですね」
「但し、彼女と会えるのもこれが最後だ。消えた人間がこの町をうろつく訳には行かないだろ。」
「シンジ・・・」
シンジは複雑な表情を浮かべた。


1月11日(月曜日)A.M.10:01、東京ターミナルステーション、新幹線ターミナル66番ホーム、
シンジはマナを見送りに来ていた。
「だあれも、知らない遠くの町か・・・」
マナは呟くように言った。
「日本の地名なんて全部、地図に書いてあるよ。」
・・・
「私ね、1人で生きてく。病院で泣いたらすっきりしちゃった。」
「あの・・・彼の為に泣いたんだね。」
「そうかもね」
マナはやはり淋しげな笑みを浮かべながら答えた。
「行くね。」
マナは電車に乗った。
「マナ」
シンジの呼び掛けにマナは振り返った。
「一人ぼっちはマナだけじゃないよ。」
「シンジ・・」
「それに、一人ぼっちってそんなに悪いもんでもないし。1人だったからマナと二人になれたんだ。良い事もあるんだよ。」
「ありがと、シンジ・・・」
「・・さよなら・・」
ベルが鳴り、ドアがしまった。
『66番ホームから札幌行きやまびこY250号、発車します。黄色い線の内側まで御下がり下さい。』
電車が加速し始めた。
「マナァー!いつかきっとどこかで会おうよ〜!」
聞こえたかどうかは分からないがマナは微笑を浮かべた。
直に、マナの姿は見えなくなり、電車は東京ターミナルステーションを出た。
シンジは暫くその場に立っていたが、帰るために第2東海道新幹線の乗り場に移動した。
途中にレイが立っていた。
「綾波・・・」
「碇君・・・貴方は1人ではないわ」
「・・・」
「貴方も私も霧島さんも皆1人だった、だからこそ出会えた」
「・・・そうだね・・・」
「帰りましょう」
シンジは笑みを浮かべて軽く頷いた。


ひかりH−111号、
「綾波・・・・これで良かったのかな?」
シンジは、左、通路側に座っているレイに声をかけた。
「・・どうしてそんな事言うの?」
「やっぱりマナと別れたくなかったんだと思う」
「人は思い出を忘れる事によって生きていく事ができる。しかし、決して忘れてはならない事もある。」
「父さんの言葉?」
「ええ・・・墓参りの時に、言っていたわ」
・・・
「マナは忘れては成らない事なのかな・・・・」
「それは、碇君が決める事よ・・・」
「そう・・・そうだね」
(碇君の左・・・私と碇君の絆・・・特別な絆・・・・)
レイは、マナに自分の居場所を奪われなかった事を喜こび、笑みを浮かべていた。
景色は既に見慣れた第3新東京市になっていた。



あとがき
な、なにか、マナファンからの抗議が来そうな気がする・・・・
一応、マナは復活する予定です。
さて、第参節恋もこれで終わり、次回からは、第四節使命です。
これからは、耕一達に積極的介入をしてもらいます。
そうしないと、原作まんまになってしまいますので(汗)


次回予告
順調に成績を伸ばすシンジは遂にアスカをも抜いてしまった。
その現実は、シンジを増長させアスカのプライドを激しく刺激する。
そんな中、第3新東京市に襲来した、謎の球体。
しかし、それは使徒の影であった。
使徒本体に飲みこまれた初号機、シンジの命運やいかに?
次回 第四節 使命 第弐拾六話 虚数