リリン〜もう一つの終局〜

◆第10話

 11月19日(木曜日)、早朝、第3新東京市、シンジのマンション、
 レイがシンジの部屋に入ってきた。この部屋の主は未だ病院に入院したままである。レイラが直ぐ傍にいるリリン本部の付属病院に。
 レイはシンジ名を呟いてからシンジのベッドに潜り込む。
 シンジがいないという寂しさに包まれながら、やがて再び眠りに落ちていった。


 リリン本部付属病院、シンジの病室、
 レイラはベッドから抜け出し着替えを済ませた。
「シンジ君、行ってくるね」
 未だ眠っているシンジに一言声をかけてレイラは病室を出て行く。
 やがてシンジが目を覚まし、看護婦が朝食を持ってきてくれた。
「…レイラは大丈夫みたいだな、僕も頑張らないとな」
 レイラのことを考えながら呟き、朝食を食べ始める。
 暫くしてレミがやってきたがレイの姿は無い。
「あれ?綾波は?」
「ん?来てないの?」
「あ、うん、何かあったのかな?」
「…見てこよっか?」
「うん、お願いできるかな?」
「じゃあ、行ってくるわ」
 レミは病室を後にして、シンジのマンションに向かった。


 リビングやレイの部屋を覗いてみるが、レイの姿は見付からない。
 他にもいくつか見てみたがどこにもいない。
「おっかしいわねぇ〜…後は…」
 ふとシンジの部屋のドアが目に入り、ドアを開けてみる…するとベッドの上にレイを発見した。
「レイ、起きてる?」
「……レミ?」
「そうよ、」
 レイはぎゅっとシンジの枕を抱きかかえて寝ていたようだ。
(寂しいって事か)
「レイ、今日これからシンジの見舞いに行った後はアタシ達のとこに来ない?」
「…レミのところに?」
「そよ、ここで一人でここにいたって寂しいでしょ」
 暫く考えた後、コクリと頷いた。


 レイラの元にネルフからの要請書を始めとする数々の書類が届いていた。
 書類をパラパラと捲る…
「…これをネルフから?」
「はい、ネルフ・国際連合の財政は極めて厳しく、独力での第3新東京市防衛施設の修復は不可能であり、リリンにそれを求めてきたと言う事です」
「そう、で、どうすればいいんですか?」
「そ、そうですね、私たちもそう大きな予算を動かす余裕が有るわけではありませんが、このまま放置するわけにも行きませんね」
「これが、費用対効果を纏めたものです。この上位のものに関して承認するといいと思います」
 郁美は費用対効果を纏めたファイルをレイラに渡した。
「…分かりました」


 ネルフ本部のシミュレーションシステムでは、今日もそれぞれのチルドレンがシミュレーションで訓練を受けていた。
「先輩、エヴァの修復の予定が出来ました。」
 マヤがファイルを持って司令室に入ってくる。
「御苦労様」
 一言そう言ってからリツコはファイルを受け取り目を通す。
「参号機、四号機と七号機は明日、伍号機も明々後日には修復が完了します」
「いい感じね、九号機は?」
「問題ありません。SS機関も安定しています」
「そう……アスカのレベルを一つ上げて」
「はい」
 アスカのシミュレーションのレベルが上がり敵が強くなる。
「…とりあえず、エヴァに関しては問題なさそうね」
「はい、」


 シカゴの東京帝国グループ米州支社ビルの司令室の作戦マップ上には東京空軍の支援も受けて、米国の主要拠点の大半を東京帝国グループが抑えたと言う事が表示されていた。
「可憐、」
「はい、」
「ワシントンに向かおうか?」
「…そうですね、救也さん…これからなんですよね」
「ああ、これからが大変になるだろうが、頑張ってくれ」
「分かってますよ」
 二人は司令室を出てワシントンに向かった。


 ゼーレ、
「東京帝国グループが、アメリカを制圧した。」
「…もうか、早いな」
「ああ、流石と言ったところか」
「しかし、使徒の数は残り少ない」
「アメリカの回復は明らかに間にあわんだろう」
「うむ、どうする?」
「アメリカは現状のまま放置しても良かろう、ただ、他に力を回せないように封じ込めだけは行うがな」
「そうだな、」
「…ところで諸君、」
「なんですかな?」
「この中に裏切り者がいる。」
「「「「…、なんですと?」」」」
「東京帝国グループ側に情報を流していた」
「いったい誰が?」
「そうだな…のぉ、クィントス」
「……」
「クィントスが?」
「裏切りを?」
「……」
「この中から裏切り者が出たと言う事は極めて残念な事だ。クィントス…さらばだ」
 モノリスの一つが消え去った。
「…議長、クィントスの後にはだれを?」
「今回はメンバーの補充は行わないつもりだ。」
「それは?」
「新たなメンバーを補充すれば悪戯に混乱を引き起こす可能性があるからだ」
「なるほど、」
「このまま11人で行く事とする」


 夜になり、レミがレイをつれてアスカのマンションに帰ってきた。
「アスカは未だ帰ってないみたいだけど、適当にくつろいでてよ」
 レイはコクリと頷き荷物を降ろしてソファーに座った。
「なんか飲む〜?コーラと牛乳とそれとアップルジュースがあるけど」
 レミは冷蔵庫を開けながら尋ねる。
「…アップルジュース」
「ん、分かったわ」
「はい」
「…ありがとう」
 ジュースのことよりも、寂しさから解放してくれたと言うことに大きな重みを持ったお礼であった。
 レミはその事が分かったのか、ちょっと複雑な表情を浮かべたが直ぐに嬉しそうな表情に変わる。
 その後アスカも帰ってきて、3人で夕食を取った。


 深夜、レミの部屋の床に布団を敷いて寝ていたレイがむくっと起き上がった。
「ん?」
 未だ、眠っていなかったレミはそれに気づく、トイレにでも行くのかな?と思ったのだが、レイはレミのベッドに潜り込んできた。
 寝ぼけているレイはレミにぎゅっと抱きついてくる。
「ちょ、レイ」
「…シンジ君、」
 アスカがレイを放そうとしたとき、呟き目から涙が零れ、言葉が止まった。
「……レイ、」
 ぎゅっとしがみついてくる…それがいかにレイが寂しさを感じていたかと言うことを示していた。
「…レイ、」
 もう一度名を呼びそっとレイを抱きしめる。
「…シンジ、アンタがしっかりしなくちゃ駄目なのよ、アンタしか二人を支えられる奴は残ってないんだから…」
 それはどこか寂しさも伴ったつぶやきであった。


 11月20日(金曜日)、
「失礼します」
 郁美が笑顔で特別執務室に入ってきた。
「郁美さん、何かあったんですか?」
「あ、アメリカの方の事が上手くいきました」
「本当ですか?」
「ええ、皆さんが頑張った結果ですね」
「これからどうなりますか?」
「そ、そうですね…暫くはアメリカの復興のために様々な手を打つことになると思いますけれど、ゼーレ側の妨害を受けたとしても、安定して進んでいくと思います」
「…そうですか、」
「あっ、あの、これお願いします」
 郁美は封筒をレイラに手渡した。
「分かりました」
 レイラは封筒を受け取って中の書類を取り出し、それらを処理していく、


 ネルフ本部の総司令執務室で3人が色々と報告書に目を通していた。
「アメリカの治安が回復に向かったな」
「米州東京軍の活躍の結果ですね。ただ、東京帝国グループと日本への反感は強まっていますが」
「そうか、まあ問題ないだろう」
「直接の影響は無いし、あったとしてもすぐのことではないからな」
「はい、」
「…赤木博士、セカンドと綾波レミの会話を見たが、あれは不自然だ」
「…不自然ですか?」
「あのセカンドが綾波レミには全幅の信頼を置いているようだ」
「…確かに、」
「以前に調べた時には何も出てこなかった。今調べてもおそらくは何も出てこないだろう、推測でいい」
「分かりました。マギに分析させませす」
「綾波レミか…確かに気になるな」
「ひょっとしたらだが…駒を更に進められるかもしれん」
 未だ何の確信もないが、あるいは見当は付いているのかも知れない。


 榊原は、司令執務室でこれからの作戦を考えていた。
「…後2体、アラエルとアルミサエルか、」
 アラエルは、耕一の生前から用意していた兵器で倒せる。
 少々スーパー化していようが余裕で倒せるだけの破壊力があるからまず問題ないだろう。そうすると、問題はアルミサエルであろう。
「…誰かを犠牲にするしかないか…」
 アルミサエルの能力やその他現状を考えると、何かあるいは誰かを犠牲にせざるをえない。
「現状の能力からすれば…四号機か七号機か」
 犠牲にして自爆させる。それ以外に絶対的な手を打ちにくい、いくつか考えたり用意しているものの、それらで倒せる確率は1割に満たないだろう…だが、犠牲にするとすれば勝率は7割を大きく超え9割近くに達すると考えられる。
「しかし、ネルフ側に作戦指揮権がある以上、難しいかな…」
 作戦指揮権を押さえることが出来なかった。その事が非常に大きく利いてくるかもしれない…囮にしての自爆攻撃など提案できない…榊原は大きな溜息をついた。


 シンジ、レイ、レミの3人がトランプで遊んでいた。
「むむむむむ、ハートの6とめてんの誰よ?」
「う〜ん、僕じゃないから…」
 視線がレイに集まる。
「…私よ」
「出しなさいよ」
「…どうして?」
「アタシが出せないからよ!」
「それが7並べのルールだもの」
「きいいい〜〜〜!!」
「まあまあ」
 シンジは苦笑しながらレミをなだめた。


 楽しかった時間であったが夕方には帰る時間がやってきて終わりが告げられる。
 レイはやはりどこか寂しげな表情を浮かべる。
「…レイ、今日ここに泊まってく?」
「え?」
「シンジも良いでしょ」
「あ、えっと…」
 少しレイラのことを考えるが、事件の前は3人で一緒に寝ていたし、レイラ自身も随分回復しているから良いだろうと考えた。
「うん、良いよ」
 その言葉にぱぁっと笑みを浮かべる。
「綾波、晩御飯貰ってきてくれるかな?」
 レイはコクリと頷いてどこか嬉しそうに病室を出て行った。
「じゃ、アタシはこれで帰るから」
「又ね」


 追加で仕事が入って長引いたためレイラが病室についたときには既に深夜になったいた。
 そっと病室のドアを開けて中に入るとベッドの上ではレイがシンジに抱きついて眠っているのが目に入った。
「…レイさん…」
 レイの表情を見ると、本当に幸せそうな笑みを浮かべていた…ただ、それは長らく引き離された者が再会したと言った感じの笑みであった。
「……レイさんも辛かったんだもんね…」
 レイラは自分にそう言い聞かせて、そっと病室を出てドアを閉めた。


 11月21日(土曜日)朝、
 リツコが研究室でレミに関する推測をマギにさせていた。
 かなり時間が掛かったが、結果が漸く表示される。
「漸くね…さて、どんな結果が……そんな、」
 マギが出した綾波レミの正体の推測を見て驚いた。
「…確かに、それならば納得できる。でも…しかし…」
 暫くの間ぶつぶつと呟きながら色々と考えていたが、とりあえずでも直ぐに報告を行わなければならない事に気付いた。
「…とりあえず、報告に行かなくちゃ」
 リツコはファイルを持って研究室を出た。


 総司令執務室、
「失礼します」
「赤木博士か」
「はい、…綾波レミの正体の推測結果です」
 リツコはファイルを差し出した。
「何?惣流アスカツェッペリン本人だと??」
 冬月がわけがわからないと言った声を上げ、碇は片眉を上げた。
 碇が何を言おうとしたのか口を開いた、まさにその時警報が鳴り響いた。
「…使徒か…」

あとがき
青葉 「…ううう…」
アスカ「あによ」
レミ 「うっとおしわねぇ」
青葉 「二人とも、ひ、ひどいっす〜」(泣)
レミ 「ところで、アンタ誰よ」
青葉 「へ?」
アスカ「そう言えば発令所にいたような気もするけど、あんま覚えてないわね」
青葉 「しょ、しょんなぁ〜」(涙)
レミ 「あ〜〜!鬱陶しい!!」
青葉 「ひどいっす、ひどいっす…」(いじいじ)
アスカ「だ〜!!も〜!見てるだけでイライラしてくる!!どっかいっちまえ!!」
青葉 「どうせ、自分は名前も覚えられないキャラっす…」(ウジウジ)
レミ 「シンジよりもよっぽどウジウジしてるわね」
アスカ「絶対に彼氏にしたくないタイプね」
青葉 「うう〜〜」(滝涙)
レミ 「ま、いいけど、アスカ、こいつの名前知ってる?」
アスカ「ん〜…なんだっけ?確か…」
アスカ「う〜ん、ロンゲ太郎だっけ?」
青葉 (号泣)
アスカ「う〜ん…思い出せないわねぇ」
レミ 「気持ち悪いわね…誰か知ってそうなのは…あ、マヤ!」
マヤ 「あら、貴女達こんなところにいたの?何か用?」
アスカ「あ、マヤ、こいつなんて名前だっけ?」
レミ 「同じ発令所勤務のマヤならしってんでしょ」
マヤ 「え?」
アスカ「いや〜どうしても思い出せないのよねぇ〜」
レミ 「なんか、気持ち悪いじゃん、こういうのって」
マヤ 「え、えっと……」(汗)
青葉 「ま、まさか……」(超涙)
マヤ 「えっと……………ひゅ、日向2尉、あの、これ先輩から渡せって…その宜しく」(汗)
マヤは青葉に書類を渡して逃げていった。
青葉 「………」(真っ白)
レミ 「仲間にも覚えられてないのね」
アスカ「流石に哀れね…」
青葉 「……」
アスカ「燃え尽きてるわこりゃ…」
レミ 「…ん?」
カヲル「うん、やはりコロッケパンは美味しいね…とっ、うわ!」
青葉 「ふげっ!!」
カヲル「いたた、ごめんよ、大丈夫かい?」
青葉 「……だいじょうぶっす…」(どんより)
カヲル「随分沈んでいるね…ん?君、どこかで会ったことあったかな?」
青葉 「…しょんな……」(げんなり)
レミ&アスカ「な、渚カヲル!!!」
カヲルは二人に視線を送ってから手に持っていたコロッケパンを口に放り込む。
カヲル「…コロッケパンは良いねぇ、リリンが生み出した食文化の極みだよ」
青葉 (…最終話しか出てこなくて、それまでみんな忘れてたような奴はしっかり覚えてるんすか…
    自分はもうどうしようもないほどなんすね……
    いてもいなくても全然かまわないんすね…)
カヲル「君たちもそう思わないかい?惣流アスカ君と綾波レミ君」
レミ 「……」
アスカ「……」
青葉 (あははは…飛び降りと首吊り、どっちがいいかなぁ…えへへ…)(壊れ)
カヲル「ん?君どこへ行く…まあ別に構わないか。
    それよりも君たち、何か僕に言いたいことでもあるのかい?」
レミ 「アンタのせいでどんだけ迷惑被ったのおもってんのよ!!」
アスカ「そうよ!!あんたがいなけりゃこのくそややっこしい問題も半分ですんだのよ!!」
レミ 「アンタみたいな奴なんか!!」
以下数分間に渡って二人の叫びが続く…
カヲル「…やれやれ、随分嫌われた物だねぇ、」
レミ 「そんだけのことしたんでしょうが!!」
カヲル「う〜ん…君たちはリリンのラストを見ていないのかい?」
アスカ「そんなの関係ないわよ!!」
レミ 「シンジが許してもアタシ達が許さないのよ!!」
カヲル「僕はシンジ君の意志が一番大事だと思うけれどね」
レミ 「関係ないっていってんでしょうが!!」
カヲル「だからね、」
アスカ「うっさい!」
カヲル「ぐっ…いきなり殴るなんて酷いじゃないか、暴力的なリリンは」
レミ 「やかましい!」
カヲル「ぐほっ…………げほっ、げほっ、ひ、酷いよ君たち、
    …君たちの心は猛禽類のように獰猛だね」
カヲル「つまり嫌いって事さ」
レミ&アスカ「「嫌いで結構!!!」」
カヲル「ぎゃああ〜〜〜!!」
………
………
カヲル(ピクピク)
レミ 「死んじゃったかしら?」
アスカ「使徒だし、あの程度じゃ死なないんじゃない?」
レミ 「なら良いわ…ほっといて内容のことだけど、遂にばれちゃったわね」
アスカ「やっぱ、拙い?」
レミ 「そうねぇ…分かったからと言って、それでどうこう成ることじゃないけど、
    強みを一つ失ったことになるわねぇ」
アスカ「リリン側随分追い込まれてきてるから拙いことになるかもしんないわね」
レミ 「そんなことにならないと良いんだけどねぇ」
アスカ「そう言えばさ、一つ気になることあるんだけど」
レミ 「何?」
アスカ「司令がなんか最近パワーアップしてきてない?」
レミ 「パワーアップ?」
アスカ「そりゃ、会長とかがいるのといないのとか、未来の知識が使える使えないはあるんだろうけど、
    それにしても最近強くなってきてる気がすんのよねこれが」
レミ 「う〜ん、確かに言われてみればそうね。司令も成長してきてるって事なんじゃない?」
アスカ「……」
レミ 「……」
アスカ&レミ「「やばいわね」」
アスカ「何か手を打たなくちゃ駄目ね」
レミ 「う〜ん…何かいい方法はないかしら?」
アスカ「アタシ達はエヴァを動かせるという重要な位置にいるけど、
    個人で出来ることはそう大きくはないわね
    パワーバランスがこれだけ崩れて来ちゃってるとね」
レミ 「今まで通りレイラとレイのサポートで3人の関係を結びつけるって言うのが
    妥当なんだろうけど…他にも何かしたいわね」
アスカ「そうね……ん?」
カヲル(……)
レミ 「どしたの?」
アスカ「あいつって奴らの仲間よね」
レミ 「そうね」
アスカ「それにゼーレにも絡んでたわけだし…少しでも情報は多い方が良いでしょ」
レミ 「その通りね」
アスカ(にや)
レミ (にや)
………
………
カヲル「……ん、んん…やあ、おはよう」
アスカ「おはようじゃないわよ」
レミ 「これからたっぷりといろんな事喋って貰わなきゃいけないのよ」
カヲル「いったい何を言っているんだい?」
レミ 「アンタは使徒だし、ゼーレにも関わっていた。色々と有益な情報を知っているはずなのよ」
カヲル「僕が有益な情報?そんな物持ちあわせてなんかいないよ」
アスカ「まあ…それがホントか嘘かは体に聞いてみることにしましょ♪」
レミ 「じゃあ、早速♪」
カヲル「え?……ちょちょちょっとまったぁ〜〜!!」
辺りにはカヲルの悲鳴が響き続けた。


発令所メインフロア
青葉 「…どこへ行っても、誰も気にしてくれない…」
青葉 「俺の人生っていったい何だったのかなぁ……」
靴を脱ぎ並べ、その上に遺書を置いて台の上に乗った。
冬月 「…青葉2尉、こんな時間にこんなところで何をしているんだ?」
ちょうど発令所に入ってきた冬月が声を掛けてきた。
青葉 「……、い、いま、な、なんて言いました?」
冬月 「ん?こんな時間にこんなところで、何をしているんだ?と言ったが」
青葉 「その前っす!!!」
冬月 「…その前?青葉2尉と呼んだだけだと思うが…」
青葉 「……」(感涙)
冬月 (な、泣き出したぞ…い、いったいどうしたというのだ??)
青葉 「冬月副司令!!!」
冬月 「な、なんだね」(ビクッ)
青葉 「自分は冬月副司令のために
   全身全霊命を賭けてがんばります!!!!」
冬月 「そ、そうか…期待している頑張ってくれたまえ」(汗)
青葉 「はい!!!」
青葉 (副司令は俺の存在を認めてくれた!!俺はここにいてもいいんすね!!)