立場の違い2A

第10話

◆父親

11月4日(水曜日)、P.M.1:12、第3新東京市市内
シンジは公衆電話から電話をかけていた。
『はい、ネルフ本部総合通信室ですが』
「あ、あの、六分儀シンジです。父をお願いします。」
シンジは、保護者懇談会の事を伝えるつもりだった。六分儀が、そんな事に来るはずが無いとは思っていたが、どうしても、言いたくなって電話をかけていた。
『少々御待ち下さい。』
・・・
『シンジか、なんだ』
シンジは拳に力を入れた。
「あの、明日は保護者懇談会で」
『シンジ、私は忙しい、そのような事は葛城1尉に』
六分儀は、怒ると言うよりは少し呆れたような声で言い始めた。
「い、いや、その・・・」
『・・・いしかたない、何時だ?』
「え?」
『何時だと聞いている』
「あ、来週の月曜日なんだけど・・」
『・・・分かった、可能ならば行く』
シンジは笑みを浮かべた。
「あ、あの、ありがとう、父さん」


ネルフ本部、第1電力管制室、
数名の特殊工作員が完全に包囲されていた。
「君達は、超法規的組織特務機関ネルフに対する敵対行為をしようとした。」
「氏名と所属を言い給え」
工作員達は全員逮捕された。


P.M.1:19、路上、
3人がネルフ本部に向かっていた。
「司令、来てくれるの、良かったじゃない」
「そうだね」
レイは軽く笑みを浮かべている。
そして、シンジとアスカが主に話し、たまに、レイが一言二言入れると言った感じで3人はネルフ本部に向かった。


今、3人は技術棟でシミュレーションによる戦闘訓練を行っている。
「どう?」
「・・そうね、やはり、レイが群を抜いているわね、」
「まあ、当然だろうけど」
「これだけの戦力差があって連携取れる?」
ミサトは少し考え込んだ。
「できるようにするのが私達の仕事よ」
「レイの能力限界まで把握してくれる?」
「分かったわ、マヤ、零号機のシュミレーションレベルをAAAに」
マヤは驚きの表情を浮かべて振り返った。
「し、しかし、AAAは・・」
「構わないわ」
「・・・はい、」
零号機のシュミレーション空間に7体の使徒が現れた。
『・・・本気?』
「AAAレベルよ、」
レイは軽く溜息をついた後、零号機を走らせた。
強力なATフィールドで完全に遠距離攻撃をブロックし、高速で動く事で攪乱させ、チャンスが出きるごとに1体ずつ、それぞれ一発で仕留めて行く、物の10分足らずでクリアした。
司令室には沈黙が漂っていた。


警報が鳴り響いた。
「何事!?」
『第九使徒の接近を確認、総員第1種戦闘配置。繰り返す、第九使徒の接近を確認、総員第1種戦闘配置。地対地戦用意』
「来たわね」


第3新東京市市内に3機のエヴァが射出された。
使徒は沢山の目がついた半球状の本体に長い足が複数はえていた。
『行くわよ』
使徒は此方に気付き跳躍し、飛び掛かってきた。
3機とも避けたが数十の建物が一瞬にして崩壊した。
『食らえぇ!』
弐号機はパレットガンを乱射したが、ATフィールドに弾かれた。
初号機は一機に間合いを詰めてATフィールドを中和してプログナイフで切りつけた。
使徒の体液が辺りに飛び散った。なんと使徒の体液はあたりの物体を溶かしている。
『強酸性!逃げて!』
「え?」
シンジはアスカの叫びの意味が分からなかった。
『でええい!』
弐号機は初号機に蹴りを入れてふっとばした。その次の瞬間、使徒が強酸性の体液を噴射し辺りのビルなどが溶解した。
「げ」
初号機は、ビルに突っ込み、かなり痛かったのだが、それ以上の事になっていたような気がしてシンジは青ざめた。
『ファーストは?』
先ほどから零号機の姿が見えなかった。
『上よ』
零号機は使徒の直上、上空を加速しながら使徒に向かい落下していた。
手に持つ武器はソニックグレイブ、
使徒はそれに気付き強力なATフィールドでブロックしようとしたが、それを上回るATフィールドによって消失され、零号機はそのままソニックグレイブで使徒を貫いた。
使徒はぐったりとして、そのまま動かなくなった。
『パターンブルー消失を確認』


11月9日(月曜日)、第3新東京市立第壱中学校2−A、
シンジはぼんやりと空を眺めていた。
「・・父さん来てくれるのかな?」
「大丈夫よ、司令なら来てくれるわよ」


その頃、面談室では、老教師と、碇親子が面談をしていた。
「碇さんの成績は、全国トップです。」
「・・成績に関しては、何も言う事はありません。」
「少し、交友関係が狭いようではありますが、」
ユイは少し申し訳なさそうだ。
「・・やはり、育った環境が環境ですので・・」
「・・娘を宜しくお願いします。」
ユイは深く頭を下げた。


数分後、突然駐車場に10台ほどの黒塗りの車が雪崩れ込んできた。
生徒も職員も大慌てである。
そして、その車からは、続々と黒服が降りて来て学校の中に入っていく。
爆音を轟かせ、数機のヘリコプターがやってきて屋上に着陸した。
学校中パニック状態である。
教室に黒服が雪崩れ込んで来た。
生徒達はただ怖がって震えている。
そして、六分儀が教室に入って来た。
「・・シンジ、アスカ、来たぞ」
(・・・来なかった方が良かったかも・・・)
(同意見)
二人はど〜〜んとした気持ちに包まれてしまった。

あとがき
アスカ「み・・短い・・」
YUKI「仕方なかろう、話が無いんだから」
アスカ「アタシとシンジのラブラブシーンを入れれば良いだけでしょうが」
YUKI「・・・成るほど、」
アスカ「わかりゃ良いのよ、わかりゃ」
YUKI「いや〜、良い事聞いたよ、容量が足らない時はラブラブなシーンを入れれば良いわけだな」
アスカ「そうよそうよ」
YUKI「んじゃ、私はこれで帰るから」
アスカ「しっかり書きなさいよ」
YUKI「ああ、LRSをな」(ダッシュ)
アスカ「な、何ですぅってぇ〜〜!!!」(追撃)