一年前

東大陸・ゼーレ連邦最大の都市国家にして経済、流通の中心地の一つ

ブラックアーケード

幾つもの衛星都市を抱える首都・ブラックアーケードの豪奢な屋敷に二人はいた。

 

「じゃぁ、私は皇国に行く。アイツの変わりに見事皇太子を演じればいいね?」

「そうだね、僕はゼーレ連邦を纏めることに専念する。こっちはかなり時間がかかるから」

「ま、気長に待つよ、アイツが本格的に動き出すにしても、まだ先だろうから」

 

暗い部屋で、茶色い髪にやはり濃茶の瞳の少年

そして銀髪に赤い瞳の少年が互いに向かい合って座っていた。

茶色の髪の少年はすでに正装していて、一方の銀髪の少年は部屋着だ。

 

「じゃぁ、また会おう、君が首尾良く事を進めることを願っているよ」

「ソッチこそ頼むよ、カヲル君」

 

そして、二人はしばし別れた。

有る雨の日の昼下がりのことだった。

 

 

 

 

 

 

夜のアドリア海

この海にしては珍しく雲が夜空を覆い雨を降らせ、海は荒れている。

そんな海に浮かぶエニシアン島よりかなり北東に向かった島

ゼーレ連邦側の航路より少し離れたところにそれはあった。

 

「ちっ! 寒いな今日も、こんな時裂けすら飲めねぇなんて」

「しょうがないだろ! オレたちゃ今日の見張りなんだから・・・なんなら掟破り覚悟で飲むか?」

「馬鹿言え!! そんなことすればお頭にどんな目に合わされるか・・・・」

 

港に突き出した見張り台

レンガを高く積み上げて造られた塔の上、一番上だけ木で出来た覆いしかない屋根で雨を避けながら

絶えず燃えるかがり火に手をかざしながら男達が暖をとる。

そしてかわるがわる一人が見張りに立っていた。

 

「それにしても、最近景気悪いよなァ・・・」

「ああ、それもあのレンとかいう女がこの航路を牛耳るようになってかららしいぜ」

「なんでも、皇国側のそれぞれの警備団は軒並み傘下に入ったらしい」

「イマイマシイッ!」

「でも、まだ表には出てないんだろ、ソイツ」

「ああ!表向きはあくまでも皇国のエニシアン島総督府、霧島家が取りしきってることになってる」

「俺達みたいな上等な海賊なら知ってるけどよ。皇国本土やゼーレのほうじゃぁ、まだほとんど知れ渡ってないらしいぜ」

「まるで俺達海賊のやり口だな」

「その割りに航路の島民達や交易商人には受けがいいがな」

「警備隊、かなり増やしてるんだろ?」

「ああ、最近じゃァこっちのゼーレ側の自警団や島の警備の連中にも声をかけてるらしい」

「御かげで仕事がやりにくいったらアりゃしねぇ!!」

 

炎にかざしていた肉に食らい付き、あるいは果実を丸齧りしながら口々に愚痴る面々

どうやら海賊の一員らしい

装備そのものは手入れは行き届いているようだがまちまちで統一性も無く

なによりその血に飢えた瞳が堅気の職のものとはかけ離れていた。

 

しばらくして一人が塀の傍に立って熱心に海を警戒し、見張りをしている仲間に声をかけた。

 

「おい、そんな見張りなんて真面目にやってないでこっち来いよ! 」

「どうせこの島襲うような勇気ある奴いねぇって」

「そうそう、なんせここはその名も高き海賊“黒鯱”のアジト! 」

「俺達に喧嘩吹っかけようなんて、皇国もゼーレの連中もおもわねぇさっ!!」

「・・・・・・・・・ま、そうだなっ! オレにも肉くれよ」

 

見張り似た艇青と子が、降り返って肉を所望する。

そのとき

 

ザシュッ!

 

銀光が煌き、見張りをしていた男の首が飛ぶ

倒れ伏した男の向こうに、いつのまにか白銀の鎧に身を包んだ一人の少年がいた。

薄手のプレートメイルは体にぴったりマッチしていて、稼動部分が多くまた軽そうだ。

魔法がかかっているのか微かに青白く輝く鎧に身を包んだ彼

端正な顔と華奢な体格とあいまってその立ち姿は男装の美少女のよう。

海賊達が仲間を一人切り倒されたというのにその美貌に飲まれ

あるいはヒューっ!とばかり口笛を吹いている。

しかし、美少年の口から漏れた言葉は小面憎いものだった。

 

「さて、私は間抜けな君達に喧嘩を売るつもりですが・・・・・・どうです?怖気づきました?」

「な、な、な・・・・・」

「どうしました?酒の飲み過ぎで頭がいかれましたか?言葉になってませんよ」

「ふ、ふざけんなっ!!」

 

 

火を囲んでいた面々が一斉に襲いかかる。

しかし

 

ザシュッ!

ザン!

ズサッ!

グシャっ!

 

襲いかかった四人の男達は武器を禄に振るうこともないまま切り倒された。

そして少年は細身で長いの両刃の剣についた血を払うと鞘に収める。

しばらくすると、島の四箇所の見張り代から、カガリ火を利用したチカチカと瞬く合図が届く

少年は手を前にかざし、魔法の光を生み出すと、そのまま海に向かって飛ばした。

 

すると、海の向こうから船の明かりが近づいてきた。

 

 

 

 

 

 

 

そんな様子を、たまたま夜の散歩中だった巨大な銀の狼は静かに眺めていた。

四本脚で大地に立つがごとく水面に平然と立って

その紅の瞳で眺めていた。

 

 

 

 

 

 


 

 

狼精日記

第五話

『“二人目”の碇シンジ』

 

 


 

 

 

 

 

 

 

 

曇り空で月明かりも無いそんな夜

雨が降りしきるそんな夜

一つの島が、雨風に関係無く、赤く赤く燃えていた。

 

ワぁー――――――――っ!!

ザシュ!

ズサァっ!!

キン、キンキン

ワァー――――――――――――っ!!

 

古くから海賊の根城として知られていた島

そこにゼーレ連邦とネルフ皇国双方の旗を掲げた戦艦が八隻乗りつけている。

ここの海賊団は歴史も長く、今現在も勢力は大きい。

港についているハリネズミのように武装した船達は二十隻の大型帆船である。

 

本来夜も見張りが耐えず海を警戒しているはずなのに、なんの連絡も無いまま襲われたため

海賊達は女、あるいは男の所で飲み明かし、寝床をともにしたり、あるいは眠りこけていたりで

だから素早く港につけて襲いかかってきた見知らぬ部隊に対処できなかった。

 

ザン、ザン、ザン、ザン・・・・・・・・

 

炎の燃える町中をくすんだ銀の鎧で全身を包み、ヘルメットを被り大型の盾とフレイルを構えた

フル装備の騎士達が町を行進している。

すでに町は大方奇襲部隊の占領下になっていた。

基本的に軽装で戦う海賊たちは、彼等の重装備に有効な対策を立てられず、さらに魔法まで使われて

為す術も無いまま追い詰められる。

 

一方で敵の棟梁のアジトと思われる館を、二人の少年騎士が襲っていた。

 

 

 

 

 

 

 

「さて、これで今回君は私の副将になったわけだけなんですけど・・・・なにか言いたいこと、ある?」

 

一年前

ネルフ皇国王城のテラスの一つ

ゼーレ連邦からの信託と皇国皇帝からの勅命を受けた白と黒の二人の少年がいた。

空は晴れていて、穏やかな気候の皇国にふる日差しはいつも優しい。

王都はそんな光と風の下、活気に満ちている。

そんな様子を眼下に眺めつつ白銀の鎧に身を包んだ華奢な少年が声をかける。

すると、テラスの手すりに寄りかかって憮然として街を眺めていた、髪を刈り込んだ少年が振り向く。

 

「ワイは皇国の将軍や、陛下がやれゆうたら大抵の事はやる」

「ほう・・・・」

「お前を主将として作戦遂行せいいわれるんやったら、逆らう気なんて無い」

「でも、不本意?」

「せやな、お前がなにもんか・・・それさえ判らん」

「ふふっ、」

「違うくせに名前も顔も、姿カタチもそっくりや」

 

不適に笑いながら、しかしその目はむしろ敵を見定めるような色合いを占めるしている黒装束の少年

そして再び彼は飾り気の無い実用一点張りの鎧に包んだ身を手すりにもたらせ、街を眺め出した。

 

「そのうちわかるよ・・・・・・・」

 

茶色がかった髪をいじりながら、華奢な白装束の少年は妖しく微笑んだ。

 

 

 

 

 

 

 

四階建ての大きな館

そこでは火は出ていなかったが、門から玄関にかけてきれいに切り裂かれた

あるいは叩き潰された死体が幾つも並んでいた。

 

「往生せいやぁっ!!」

ブンッ!

 グシャ!

  ズサ!

   バキィ!

    ザンッ!

 

刃渡り2メートルありそうな黒く巨大な両刃の剣

斬馬刀の一振りで四人の海賊たちが持っていた武器や身につけていた鎧ごと、砕かれ叩き潰され

そして切り飛ばされる。

 

「さぁ、死にたい奴はかかってこんかいっ!!」

 

薄い黒鉄の鎧とやはり黒い鎖帷子

衣装も何も無い黒いだけで特徴も無い鎧を着込んだ背の高い少年は明らかに訛りのある啖呵を切る。

頭を短く刈り込んだ彼の周りを遠巻きに、青竜刀やトラインデット、エストックを構えた海賊たちが囲む。

 

海賊棟梁の館内

本来屋内で斬馬刀のような大ぶりな武器は壁や柱、家具に邪魔されて振るうことが難しいが

しかしこの黒装束で訛りのある少年は障害物ごと敵を叩き潰していた。

海賊たちは下がりながらも少年を誘導し、玄関フロアに再び引き込む。

少年の姿が現れた途端、吹き抜けの二階から八人もの海賊がクロスボウを放つ。

しかし、少年は斬馬刀片手でを軽く一閃し、矢を叩き落した。

 

「さぁ、次はどんなことして楽しませてくれるんや? 」

 

年齢の割りに男臭い、凄みのある笑みを浮かべながら

少年は怯える海賊たちを見渡した。

 

 

 

 

 

 

「ちっ!貴様等ァ・・・・・・・・こんなことしてただですむと思ってんのか!?」

「そんなつまらない捨て台詞言ってないで降伏したらどうです?」

「ふざけるな!!」

「今なら部下も半分は間違い無く残りますし、君ほどの能力なら士官に取りたててあげます」

「だれが手前の手下なんかなるかっ!」

 

屋敷の四階

一際広く豪奢な部屋

数時間前見張り台を襲った白銀の少年は海賊“黒鯱”の棟梁と向かい合っていた。

手に巨大な斧を構えた筋骨隆々の巨漢と、華奢で薄く白い鎧に身を包んだ美少年

ぱっと見、少年の圧倒的不利に見えるが、しかし

 

「まぁまぁ、汗を吹いて。今なら住居完備、週休一日ボーナス付きで御得ですよ♪」

「馬鹿にするなっ!」

「そんな、純粋にアナタの能力をかっているだけなのに・・・・・」

 

情けない声を出しながら困惑しているように見える少年

苛立ちを表すように斧を横にふる大男の棟梁

しかし、棟梁は全身に脂汗を掻いていた。

 

「手前等に従うぐらいなら、ここで部下建ち共々死んだほうがましなんだよっ!!」

 

さらに一歩踏みこんで大きな斧を横に凪ぐ。

そして震え出しそうな体と心を叱咤して、なんとか目の前で微笑んでいる少年に対峙する。

だが

 

「どうしてそう頑ななのかなぁ?降伏してなにか悪いことでもあります?」

「うるせぇっ!手前に飼われるくらいなら死んだほうがましだ!!!」

「そんな、死んだほうがましって、そんな楽な罰を与えるわけ無いじゃないですか」

「な、なにっ!?」

 

白銀の少年の不穏な言動に棟梁が反応する。

その顔色は一層追い詰められたためか、、良くない。

 

「もしここで降伏しなければ今生きて捕虜になったあなたの部下、女子供、全員散々拷問して・・・・」

「て、テメェ・・・・・」

「あ、拷問ってひたすら痛くて精神的に辛いだけ、狂わす気は無いから・・・・・・傷も残さないし」

「・・・・・そ、そんなこと・・・・・・・・・・」

「その後奴隷にでも売り飛ばしますか・・・・・・」

 

そこで少年の笑みが凄惨なまでの殺気をはらむ。

棟梁の膝が知らないうちに震えだし、ガクガクと揺れる。

 

「あるいは手足を切って見世物小屋にでも売り飛ばしますか・・・・・」

「くぅぅ・・・・・・・」

「あなたの妻も子供もヒドイめにあうだろうなぁ」

「きっ、キサマァ!!」

 

恐怖と怒り、なによりプレッシャーに耐えきれなくなった棟梁が斧を振りかぶって襲いかかる。

しかし、

 

すっ

斬!!

クルクルクル・・・・・ドスっ

 

斧が振り下ろされる寸前、少年は抜き打ち様に斧の柄を切り飛ばし

柄を失った斧の刃はそのまま飛んでいって壁に突き立つ。

そして海賊の棟梁の首筋には細身で両刃の剣がぴたりと添えられる。

 

「もう一度聞きますね・・・・・降伏しますか?」

「・・・・・・・わ・・・判った・・・・・・・・・・降伏しよう」

「そ、よかった」

 

再び無邪気に微笑みつつ、少年は言った。

 

 

 

しばらくして、海賊の降伏を告げる合図の花火が上がり、島での戦闘は終わり

海賊”黒鯱”は長い歴史の幕を閉じた。

 

 

 

 

 

 

 

「やぁ、鈴原君御疲れ様」

 

棟梁の降伏とその合図を確認した後、白銀の鎧を着た少年、碇シンジは部屋を出て

屋敷内に残っていた海賊達を呼び寄せた部下たちに捕縛させていた将軍・鈴原トウジに声をかけた。

階段から降りてくるシンジに、トウジは一瞥をくれた後、再び部下の指示に戻る。

 

「連れないですねェ、でもやはり歴代最年少の十将軍だけあります。御かげで随分助かったりました」

「そうか・・・」

「ええ、これからも宜しく頼みますね」

「・・・・・・・・・いまワイはいそがしいんや、悪いが世間話は後にしてくれへんか?」

 

懲りずに声をかけるシンジにトウジは一瞥をくれると邪魔だとはっきり言い放つ。

 

「そうですか、じゃ、私は船に戻って報告とかありますから、後よろしく」

 

そして手をひらひらとふると、そのまま一人で屋敷を出ていった。

 

「ホンマ・・・・似とるのは姿形と、表面上の性格だけやな・・・・・優しそうな顔してホントは・・・・・」

 

何を考えてるのか判らない

しかしどうにも裏のありそうな

嘗ての幼馴染で親友そっくりの少年にトウジは警戒せざるを得なかった。

たとえ、嘗ての親友の立場をそっくり継ぎ

皇太子となって表向きは本物の碇シンジとして振舞っている彼の上官だとしても

 

 

 

 

 

 

そして、戦闘が終わった頃

すでに東の空は白み始めていた。

あんまりにも長かったため、海面に横になって、叢にでも眠るがごとくウトウトしていた蒼銀の狼

しかし、海賊達が降伏に打ち上げた花火の音でビックリして起きた彼(彼女?)は

もう一度島と艦隊の様子を眺めると大地をけるのと同じように、微かに波のある海面を駆けて行った。

 

 

 

 

 

 

「やぁ、カヲル君」

『シンジ君かい?首尾はどうだい?』

「上上、やっぱり皇国から彼を連れてきたのは正解だった」

 

艦隊に戻ったシンジは、そのまま自室にこもり部屋にあった透明なオーブに手をかざした。

すると、遥か離れたゼーレ連邦のカヲルに繋がり幻像が現れる。

シンジは早速首尾を報告した。

 

『彼は皇国でも屈指の戦士で指揮官だからね、おまけに皇国には忠実だから命令には従う』

「御かげで助かってるよ、彼自信は私のことが嫌いなようだから」

『そうかい?ちょっと困ったね、でもまぁそのうち慣れてくれるだろう』

「そうだといいけどね」

 

珍しく愚痴をこぼすシンジに苦笑しながらカヲルは答える。

そんなカヲルを少し恨めしそうに見ながら、シンジは報告を続けた。

 

「後は、海賊達の大半は暗示をかけてここに残していくから、早目に処理を頼むよ」

『そうだね。でも、洗脳、訓練、教育、ものになるにはしばらく時間がかかるから戦力になるのは当分後だよ』

「困ったなぁ、少し戦力不足なんだけど」

『だったら、皇国側の航路に言って海賊“紅の風”に接触してみるといい』

「接触?」

『そう、あそこの海賊は皇国の名門貴族惣流家の娘、アスカ嬢が率いている』

「物好きだねェ」

『まぁ聞いて、彼もアイツの、レンの関係者だから、君の容姿が有効なはずだよ』

「しかもこの間、またレンに引っ掛けられてしてやられたから?」

 

情報を教えるカヲルに悪戯好きの笑みを浮かべながらシンジはやり返す。

カヲルは少し目をしばたいた後、微かに呆れたように笑いながら話しを続ける。

 

『なんだ、知っていたの。なら彼女に接触して、せめて興味を持たせて』

「判った、でもいきなり戦いにならないだろうね」

『皇国の勅命を受けて動いているとしったら絶対攻撃は仕掛けてこないよ』

「そう、じゃ、あってみるよ」

『頼むよ、じゃぁシンジ君』

「また」

 

そして幻像は消え、オーブは光るのをやめた。

ちょうどそのすぐ後、とりあえず海賊達を全員捕縛し終えたと連絡が入り

シンジは早速治療などの事後処理に向かったのだった。

 

 

 

 

 

 

 

「・・・・・と、いうわけで前に見せてもらったレンの昔の姿そっくりの少年が“黒鯱”を落としたわ」

 

一方

走り去った蒼銀の巨大な狼・レイは、そのままエニシアン島まで走って戻った。

約百キロの距離を半時で帰ってきたレイは、行きも切らせずまったくの余裕であった。

 

「そうか・・・・・・アリガトウ、知らせてくれて」

「ついでだもの・・・・・・・・」

「そう、で、海の散歩は楽しかった」

「ええ・・・・・久しぶりに風を感じながら駆け巡ったわ・・・・潮風の中走るのは始めてで新鮮だったの」

「やっぱ、獣は走り回っているのがにあってるものねぇ」

「・・・・・・何が言いたいの?」

「べっつにぃ〜〜〜」

 

何時ものごとく、マナとレンが睨み会う。

戻ってきたレイは、狼の姿のまましろに直行して、風呂まできたところでようやく人の姿を取った。

そして、朝風呂を楽しもうとすると、そこにはすでにレンがいた。

なにも身につけていないレンの引き締まった、しかし出るところは出た見事な肢体に

レイは体と、特に体の一部が厚くなるのを感じた。

ついでに、邪魔なことに(レイの視点)マナも湯浴みを着て入っていた。

 

「ともかく、これですでに二つの大きな海賊と八つの小さな組織を潰したか・・・・・・」

 

レンは右と左に座り、それぞれの腕を取ってレンを挟んでにらみ合う美少女的美少年を宥めながら

コレまでのことを考え始める。

 

「すると・・・・こんどは“紅の風”あたりでも接触するかな? また何かちょっかいかけてみようか?」

 

レンはなにか悪戯を思いついたように無邪気に笑った。