狼精日記外伝

あるいはこれがほんとのレイの日記

狼なレイの徒然



檎樹の巻



檎樹 二十七の月



 すこし何時もよりも早く目が覚めた。

 昨晩アレだけ一緒に燃えたレンは、今は私のベットで今日も寝ている。最近リナとマナは忙しいから独占できるの。

ただし、リナの場合は後でワタシががんばって相手するのだけど・・・・・・・・

彼女底なし、と言っていいくらいだから、相手にするのはかなり大変なの



「むぅ、やっぱりイマイチ淡白よね、私とするとき」

「レンは特別なの・・・・・・・あなたは綺麗で柔らかくてイイ匂いだけどでも無限にヤっていたいとあ思わないの」

「あら、そう?だったらもう少し私の魅力ってものを見せてあげるわ」

「その前に半日目が覚めないぐらいしてあげるわ」



 なんか妙に対抗意識燃やしてしまって、アレはアレでとても疲れるわ。

おまけにさすがのワタシもしばらくイイかと思ったとき、そしてリナがへとへとになったときはすかさずマナがレンを独占してるし

なかなかに、ままならないものなの



 ともあれ、レンをやはり起こさないようにベットを抜け出し、そのままバルコニーから海に向かって飛び降りる。とても高い所からのダイビング。空中で狼の姿になって空を走り抜けながら水面まで降りるのが最近のお気に入り



 そしてミンファン島に向かうの

 あの周辺海域は蒼羽竜が群れていることが多いの。だから銀狼の姿をいつもの二倍ぐらい大きくする。普段は結構力の消耗とバランスが良くないからやらないのだけど最近調子もいいから。

 そして青く輝く彼らと遊ぶの

 相手も二十メートルから四十メートルはあるから大きさがいるわ。

彼等がその巨体で水面を跳ね回る。

でも基本的に頭がいいし穏やかな性格だから彼等自身の魔力で波をあまり立てないよう抵抗を工夫している。だから少し離れたら波も静かで回りはとても穏やか

 最近は御座舟とかがでたりして観光スポットになってるみたい。

 でもワタシには関係無い彼等が周りを問いはねる中、水飛沫がきらめく中、思い切り水面を大地けるがごとく駆け巡り遊ぶのが大好きなの。たまにワタシも水中に潜ったりもするわ。

 彼等とは結構仲良くして行けそうと、最近は思うようになった。



帰るとすでに食事の用意が出来ていた。

人間の姿で手を使って食べるのにも随分なれたと思う。それにマナも料理長も香辛料を馬鹿みたいに使う真似はしないからワタシの口にも合う。基本的に薄味好みが多いの。

だから料理長さんには感謝なの・・・・・

ついでに好みを調べてくれたマナにも、まぁ感謝してイイの。



 感謝するからこのデザートちょっとつまみ食いさせて欲しいの

ダメ?



檎樹 二十八の月   



 櫻が最近妙に早く目が覚める。

 なんだかどうしても朝の四時ぐらいになると寝苦しくなって目が覚めるらしい今日も雨が降る。

ポツポツ、シトシト、パラパラと雨が降る。

 時間が早すぎて幾らなんでも暗いから街に出て、魔法の光に照らされた公園の噴水の前

 身体に落ちる雨を感じつつ、なんだか眠いと感じていた。

目の前では巨大な噴水が青と紫の魔法光に照らされて

幻想的な様子がまるで夢のようで

絶え間無い水音すらなにか心地よいリズムを刻んでいるようで

いつのまにやらワタシは公園のベンチで眠っていた。

 寒かったから風邪を引くところだったの



 ところで、いきなりだけど"しんりてすと"というのをするわ、

直感で答えてみてほしいの



街を散策していたら素敵な陶器屋さんを見つけたあなたはその店に入る。中に入ると店員はにこやかに挨拶をしてくれて雰囲気もいい。商品を眺めつつ気持ち良い時間を過ごす。

あるときマグカップを手にとって眺めていたら取っ手が外れてしまった。さっきの店員も今はまだ気付いていない

さてあなたは?



1.知らん顔で立ち去る



2.店員に事情を説明する



3.不良品と店員に注意する



 これであなたの「対上司好感度」がわかるの。

 店員が上司になる訳ね。

 アクシデントに見舞われた時、店員(上司)に対してどのような態度をとるかであなたの対上司好感度をチェックしてみるの。



 知らん顔で立ち去るを選んだ人



あなたは「考えるより先ず行動」的な答えを選んだの。

やる気もあるしフットワークも軽いタイプね。でもその分ケアレスミスが多いのが玉にキズ。

 だから上司からの評価は「いい奴だが大事な仕事は任せられん」といったところ。

 これからのあなたに求められるのは冷静な判断力なの。



 私達の中にはいないタイプなの。良くも悪くもレン、マナ、リナ、ワタシは変わってるから。



 店員に事情を説明するを選んだ人



「石橋を叩いて渡る」あなたは言われたことをきちんとこなすタイプ。

だから上司にはそこそこうけがいいわ。

でも応用力がイマイチなのが玉にキズ。面白味にもちょっと欠けているみたい。つまり信頼度は高いものの上司の期待度はイマイチなの。

 時には自分の判断で行動して上司に積極性をアピールしてみるのも良いわ。



 不良品と店員に注意するを選んだ人



責任転嫁のような答えを選んだあなたは手抜きや息抜きはするけれど上司の前では要領よく仕事をこなすタイプ。

自分では上手く立ち回っているつもりでも上司はあなたのそんなちゃっかりした面を見抜いているかも知れないわ。

 だから信頼度はイマイチなの

 もう少し誠意ある行動をとれば仕事はできるんだから信頼度アップは間違いなし。



 なんか今回ワタシ達ににはあてはまるものがいなかったの

強いて言えばレンなら店員に事情を説明するけど、凡庸には程遠い。 

不良品と注意するを選んだマナとリナは・・・・要領がいいなんてもんじゃない悪魔みたいにずるがしこいし(怒)

 知らん顔で立ち去るワタシ、冷静な判断力が無いということ!?

侮辱なの(怒怒)



檎樹 二十九の月

   

 ここしばらく頭がズキズキ響く。怪我でもしたみたいな感じ

始めての感覚

 レンに聞くと頭痛というものらしいの。

 よくわからないわ。

 レンは「風邪?」と心配してくれたけど、そもそも人と違うワタシが風邪を引くわけない。でも頭は痛い・・・・・・・・・・

 ワタシは人間と違って病気というものが存在しないはずなのに、だとすると何かの影響?

 マナが呪いでもかけてるのかしら?

 いいえ、彼女なら正面からハルバート振回して向かってくるわ。

 直情的だもの

 リナがなにか実験失敗して、その余波が来てるのかしら。

 彼女が失敗したら今ごろ大騒ぎだわ。エニシアン島無事ですまないわ。たとえレンの強力強大な結界内でも

 レンがなにか対処に追われてるはずだから違う思う。

 ではあの赤毛ザルがわら人形でも打ってるのかしら?



・ ・・・・・・・・・・・・・なかなかやるわね

この蒼銀の巨狼に頭痛なんて始めての感覚味あわせるなんて

 あっぱれだから久しぶりに何度も襲ってあげたの

 朝起きて襲撃

 朝ご飯食べに戻ってからまた襲撃

 昼を食べたら襲撃

 おやつをみんなと楽しんでから襲撃

 おまけで夕飯の後、襲撃

 レンと激しく燃えて、珍しくレンがダウンしてからまた襲撃!



相変わらず結構待ちかまえていたりしたけれど

しかし、今回は力業で罠も仕掛けも計略もうち破ってやったの

それくらいワタシの怒りは激しいの!!



だから、お猿さんと牛、そしてレンのパチモンの艦隊もボロボロ



 ご褒美はたくさんがいいの

 珍しく牛さん(葛城ミサト)の艦隊と合同作戦をしていたらしく、なかなか歯ごたえがあったわ。もちろん、ワタシを傷つけるなんて彼女たちに出来はしないけれど



そういえば、頭

いつのまにか痛くなくなってたの



檎樹 三十の月

  

 眠い

 眠いの

 昨日は張り切り過ぎたの

昨晩はがむしゃらにも程があったの

どうも、お猿さん達をからかう(戦闘)で張り切りすぎてしまったみたい。

一休みしていたレンと更に熱く燃えた

と言うより暴走してしまった。



 それもレンが魅力的すぎるから(ポッ)



 レンといえばさっさと起きて朝風呂に入りに行った。

 今ごろマナと入浴中



 彼女、うっとりしながらレンの背中流してるわ、絶対(怒)



 それにしても昨日の夜は頑張ったの

 とても情熱的だったの、御互い

 なんでレンが平然としてるのかわからないわ



 あんなに激しくもとめあったのに(ぽっ)



 とにかくこのワタシがなんだかおきられない

 昨日に続いてどこかからだがおかしくなったのではないのか?

 本当にそれがひどく気になる。



 そういえば昨日からだの大きさを20メートルまで上げてみたが、以外に力の消耗が少なかった。

 それが後に響いたのかしら?

 もう少しエネルギー効率が上がればより大きな狼の姿で戦える。

 スピードとパワーに関わることだから真剣に考えてみようと思ったのだけど

 無理かしら?



 ぼんやりそんなことを考えていたら、レンが御かゆをもってきてくれた。



 香草と薬草などを程よく混ぜてある。

 聞いてい見ると驚いたことにレンが造ったとのこと



「おいしい?」



珍しく、すこし自身無さ気にワタシの顔を覗きこむ様子が、いつもの自身に満ち溢れた彼女とは違う魅力をかもし出す。



「え、ええ・・・・・おいしいの」



 顔が熱くなって何故かドモってしまった。



 レンが料理長の指導で造った御かゆ、鶏肉なども入れたそれを少しずつ吹いて覚まして私の口にスプーンで運ぶ



「あ〜ん」

「あ、あ〜ん」



 これもまた、幸せというのね