贖罪

◆第9話表

うむ・・・最近セカンドの様子がおかしい、妙にイライラしていたり、何か考え込んだり・・・
何かあったのか?
「・・・おい、セカンド、」
「なによ!?」
迫力あるな
「何かあったのか?」
「なによ!アンタには関係無いでしょ!」
「・・そうか、」
「・・・」
私は部屋に戻った。


翌日、
プラグスーツの補助無しで、直接肉体からハーモニクスを抽出する試験・・・ダミーシステムの調節の為のデーター集めの実験が行われる。
ふむ・・・確かに、レイの為にはダミーシステムの完成を妨害するのが、良いだろうが、
生存の為にはダミーシステムの完成は好ましい、そもそも、レイを呪縛から解き放つ為にダミーシステムを破壊して、使徒に負けてサードインパクトではそもそも話にならん。
護るべき者を死なせてしまっては本末転倒だ。
うむ・・・・
・・・・
・・・・
・・・・
うむ・・・垢が全部落ちてすっきりした。
流石に自分ではここまでおとせんしな。
さっさとプラグに向かうか、セカンドが出て来る前にな・・・
セカンドは何やら文句をたらたら言っているからな、
プラグに入る。
・・・・・
・・・・・
確か、今日、イロウルが発生するんだったな・・・
しかし、私にする事は無い・・・いや、すると拙いか、
実験は順調に進んで行く、
・・・・・
・・・・・
・・・・・
司令室が慌しく成ってきたな、そろそろか、
『きゃあ!!』
むっレイの悲鳴が聞こえた。
『『レイ』』
・・・・
『侵食部更に拡大、模擬体の下垂システムを犯しています。』
模擬体の手が司令室に接近していく、
模擬体の手が千切れ、手がガラスに激突する。
『レイは!?』
『無事です。』
そうか、
『全プラグを緊急射出!レーザー急いで』
Gがかかりプラグが射出された。


さて、今、地底湖に射出された。
・・どうすることもできんな、
・・・寝て待つか、
目を閉じ眠りにつく、


ん?何か聞こえる。
目を開ける。
ん、葛城1尉か、
「全く、あんな所で寝ているなんて不謹慎よ」
「さっさと助けに来ない方が悪い」
「むっ、しょうがないじゃない使徒でそれどころじゃなかったんだから!」
「チルドレンの保護は最優先の筈だろうが、更に、エヴァも動かないのに作戦部が何かする事でもあったのか?」
「う・・・」
クリーンヒットだな。
「・・・もう少し自分の役割と言うものを考えろ、葛城1尉」
「う・・・」
さて、帰るか・・そうだな、
「葛城1尉、帰るぞ」


数日後、今機体相互実験が行われている。
ダミーシステムの互換性の最終チェックと言った所の物だ。
今はレイが初号機に乗っている。
「凄いですね・・零号機の時よりも更に伸びています」
「確かに、これは凄いわね」
どうやらかなりの数字が出ているようだな、・・・ん?私の零号機とのシンクロ率次第では機体交換か?
む・・・むむむむ、むむ・・・うむ、問題無い。
「どうレイ?初めて乗った初号機は?」
『・・良く分かりません、』
「そう・・」
・・・・
・・・・
「では、テスト終了、レイ、上がって良いわよ」
「シンジ君、準備して」
「分かった。」
歩きながら考える。
そう言えば、あの時零号機は暴走したんだったな。
むぅ・・・どうなる?
・・・それ以前に起動できるかどうかも分からないんだったな・・・
プラグに入る。
『良いわね?』
「ああ、問題無い、」
プラグが挿入され、LCLが注入されて、その後も順調に行程は進んで行く。
ふむ・・・特に今の所は特には問題無いな。
『どう、シンジ君?零号機のエントリープラグは?』
「問題無い」
『そう、』
・・・
『では、相互間テスト、セカンドステージに移行』
『零号機、第2次コンタクトに入ります。』
・・・
順調だな。
・・・
『第3次接続を開始』
・・・
・・・
『A10神経接続開始』
ふむ・・・何も起こらんな、
・・・
・・・
『シンクロ率は、28.74%です』
ふむ、初号機よりは低いか、まあ、当然と言えば当然だな。
まあ、なんにせよ、何事も無くすんだ。


実験が終わった後、女子更衣室の前でレイが出て来るのを待っている。
暫くしてドアが開きレイが出てきた。
「・・・何?」
「一緒に帰らないか?」
「・・・問題無いわ、」
「そうか、では行こう、」
二人は並んで歩き出した。
・・・・
・・・・
・・・・
本部を出てバスに乗る。
「・・・レイ、今度の日曜に一緒にどこかに出かけないか?」
「・・どこか?」
「ああ、そうだな、日帰りになるが、少し遠出をしてみないか?」
「・・第3新東京市をでるの?」
「ああ、そう言う事だ。」
「・・待機任務と保安はどうするの?」
「う・・」
しまった、それを忘れていた・・・
レリエルは・・未だ時間があるな。
「待機任務に関しては問題ない」
「・・保安は?」
うむ・・・
「・・保安は・・・保安部に頼るしかないな、」
「・・そう、許可が出たら良いわ」
よし!
「うむ、分かった、申請は私がやっておく」
「・・そう、」
バス停でレイと別れて家に戻る。


自室に入って、確か、この辺りに・・・あったあった、連絡先一覧票、
うむ・・・保安部と総務部は・・・
電話を掛けて要件だけ伝えて切る。
まあ、向こうも困るだろうが、返答させてしまうと、色々と厄介だからな、


翌日、許可が下りたので、早速どこに行くか考える。
「サード!」
むぅ、セカンドか、考えを邪魔しおって、
「なんだ?」
「お腹すいちゃったのよ」
「・・だからどうした?」
「だから、お腹が空いたって言っているのよ」
「それは分かっている」
「このアタシがお腹が空いたって言っているのよ!どうして、気を聞かせてさっさと何か作るってことが出来ないのよ!?」
そんな事知るか・・と、言うと拙いな。
「・・・仕方ないな、」
キッチンへと足を向ける。
むぅ・・・何を作るか・・・冷蔵庫を覗く・・・卵があるな、後は・・うむ・・・オムライスでも作ってやるか、
・・・・・・
・・・・・・
・・・・・・
「ほら、出来たぞ」
「うん、よろしい」
早速食べ始めた。
さて、部屋にもどって考え直す。
そうだな・・・いくら遠くに行くと言っても、本当に遠くに行くのは拙い・・・せいぜい・・・
う〜〜む・・・そうだな、海にでも行くか、よし、そうしよう。


そして、日曜日、レイの家に迎えに行く、
ドアが開き、レイが姿を表す。
「迎えに来たぞ、行こうか」
コクリと頷く。
二人はバス停に向かって歩き始めた。
バス停で来たバスに乗って駅に向かい、第3新東京駅から電車に乗って海へと向かう。
海岸近くの駅で降りる。
「・・海ね、」
「ああ、もう少し近くまで行くぞ」
頷いて付いて来る。
少し歩いて堤防の上まで行く、
「・・・大きいわね」
「ああ、」
風にレイの髪が靡いている・・・純粋に綺麗だな・・・
まるで、名画の様だ。
「・・どうしたの?」
「・・いや、なんでもない・・きにするな」
「・・そう、」
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
・・・・・・・
「・・そろそろ、行くか、」
「・・・ええ、」


駅に戻って新横須賀に出た。
何か・・・服でも買ってやるか、
デパートに入って婦人服売り場に行く、
「レイ、何か服を買ってやるぞ」
「・・必要無いわ」
う・・・・・・・
「・・来た記念だ、」
「・・・そう、」
さて、何が良いかな・・・うむ・・・これなんか、良いな、
「レイ、これなんかどうだ?」
「・・良く分からない、」
う・・・うむ、いや、私が悪いんだが・・・うむ・・・
うむ・・・それとも・・・
まさか、私のセンスが悪いのか?
うすいピンクのシャツにジーパンなんだが・・・う〜〜む、
「・・いやか?」
「・・別に、」
う〜〜む、こう言うことは全部ユイに任せてきたし、私には良く分からん。
暫く悩んだが、結局数着私が選んだ物を買った・・・アレで良かったのか少し心配なんだが、


昼食はレストランで取る事にする。
「ビーフカレー大盛りだ」
「・・・ホットケーキ、」
暫くして料理が運ばれてくる。
「うむ、美味いな」
レイの方は静かに食べているな。
「美味いか?」
軽く頷く、
「そうか、それは良かった。」
食事が終わったら、帰りだな、


帰りの電車の中で、レイは居眠りをしている。
「・・・ふぅ・・・」
軽く溜息をついてから視線をレイから窓の外に向ける。
「・・・あのユイの事故さえなければ、私は父親でいれたのかな・・・・」