天才

◆第3話

第3新東京市、ネルフ本部綾波研究室、
今、シンジとレイはモニターを眺めている。
ラミエルは、シールドで穿孔中である。
「ラミエルか・・・やっぱ、正面からは当たりたくないな〜」
「ヤシマ作戦?」
「そうだね、」


ドイツ、第3支部司令執務室、
「洞木ヒカリさんだね」
日本人の千代田司令はヒカリに尋ねた。
「は、はい」
「鈴原トウジ君と相田ケンスケ君は、暫くこの施設で訓練を受ける事になっている」
「訓練ですか?」
「そう、エヴァンゲリオンのパイロットとしてのだ」
「え?」
「そうだ、君も一緒に乗ってみないかね、」
「へ?」
結局いろいろ有ったが、最終的には、ヒカリは搭乗を承認した。


ケージ、
「鈴原!!!」
ヒカリの声が響き渡り、トウジは声の方を振りかえった。
「い、委員長!!」
ヒカリはトウジに飛び付いて来た。
「馬鹿・・・ホントに心配したんだから・・」
ヒカリはトウジの胸で涙を流し、拳で軽くトウジの胸板を叩いた。
「い、いいんちょ・・」
二人は感動の再会を見ながらケンスケは大きな溜息をついていた。
「は〜〜、俺の春は何時来るのかな〜〜」
「ヘイ、ケンスケ、サボッテナイデ、トットトクンレンツヅケロ」
「ふえ〜〜」


第3新東京市、ネルフ本部、綾波研究室、
「碇君、洞木さん、搭乗を承認したわ」
「そう・・・これで良いんだよね」
「人が残るためには必要なことだもの」
「そうだね、今度は前ほど不利じゃないしね」
「ええ」
通信が入った。
『シンジ君、レイさん、出撃の準備をして』
「はい」


そして、双子山山頂、
「綾波、行こう」
レイはコクリと頷き、二人はそれぞれの機体に乗り込んだ。
そして、第1射にてラミエルを貫通、殲滅した。


大西洋、太平洋艦隊、
「加持さん、日本の情報入ってきた?」
「ああ、見るかい?」
「ええ」
アスカはラミエルに関する情報を見た。


個室、
(あいつら未来を知っていたわね・・・予言者でないとすると・・・タイムトラベラーか)
(そう言う事ね、それなら今までの違和感も納得が行くわ)
(あの二人、10年間もアタシに秘密にしていやがって〜〜!!!)



そして数日後、シンジたちが輸送ヘリで太平洋艦隊にやって来た。
ミサトが降りてくる。
「貴女がセカンドチルドレン惣流アスカツェッペリンさん?」
「そうよ、アンタは?」
「私は、ネルフ本部作戦部長葛城ミサト1尉よ」
「ふ〜〜ん、尉官が部長か、大した事無いのね」
「ピク」
「で、葛城1尉、シンジとレイに会わせてくれないかしら?」
「え、ええ」
そして、再会、
「久しぶり」
「うん」
「行くわよ」
3人はアスカの個室に、ミサトはブリッジに移動した。
テーブルにそれぞれつく、
「さて、答えは、二人は、タイムトラベラーってとこかしら」
「うん、似たようなもんだよ」
「で、如何してそんな事になったわけ?」
「・・サードインパクトよ、」
レイの答えにアスカは目を大きく開いた。
「・・・起こっちゃったわけね、」
「で、いま、それを防ごうとしているって訳」
まあ、そんな未来から来たのならそれを変えようとするのは当然であろう。
「・・で?」
「そろそろ僕達の歴史に関する知識が役に立たなくなってきているんだ」
「随分変えたって訳ね」
「うん、まあ、全体的には前回よりも随分と状況が良いから何とか乗り越えられるとは思っているけど・・・ところで、弐号機は?」
「見る?」
「ええ、」
3人は個室を出てヘリで輸送艦に向かった。


特別輸送艦の仮設ケージに弐号機が拘束されていた。
レイはモニターに表示されているデータに目を通している。
「・・どうやらどこも問題ないわね」
「良かったね」
「ええ」
「アスカ、初陣は今日だよ」
「へ?」
アスカは突然の事に戸惑った。
「この輸送艦隊は、アダムを運んでいる。」
「それは、過去の知識?」
「それもあるけど、マギを調べたんだ」
「ハッキング?」
「そう、マギは赤木ナオコ博士の人格を元にしているけど、僕達のMAGI−0は、母さんの人格を元にしてるからね。」
「ふ〜ん」
レイはどこかの方角をじっと向いている。
「・・来るわ、」
突然、水中衝撃波が走った。
「じゃ、着替えて来るわ」
「うん、」
30分後、オーバーザレインボーの飛行甲板には3枚に下ろされた使徒が乗っかっていた。


ネルフ本部、総司令執務室、
「ここまで復元されています」
「全ての」
『父さん、ちょっと話があるんだけど』
「シンジ、私は忙しい」
『ふ〜ん、加持さんとの話がそんなに忙しいんだ』
「そうだ、だから」
『碇司令、イブの配偶者がそんなに大事ですか?』
遠まわしにしっかりと言う。
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「・・・・」
「加持君・・・君には失望した」
「ちょっと待ってくださいよ!!」
「もう会う事も有るまい」
「司令!!」
『加持さんもいるみたいだけどまあ良いや、初号機からの伝言、馬鹿な考えは止めてくださいよ、だって、伝えたよ』
「・・・・」
「・・・・」
碇はじっと黙って何か考え、加持は訳が分からないと言う顔をしている。
「・・・・」
「司令、これもシナリオ通りなんですか?」
「ああ、問題ない、今しばらく君は飼っておこう」
「有難う御座います。」


マンションにアスカの荷物が運び終わった。
「ふひ〜」
「はい、アスカ、ジュース」
「ありがと」
アスカはシンジからジュースが入ったコップを受け取った。
「いまさ、気になったんだけど、あんたらどこまですすんでんの?」
「え?進んでるって何が?」
「だ、だから・・恋人としてって言うか、男と女としてって、事よ、」
直接言うのは恥ずかしいのか少し顔をピンクにしている。
「前の歴史では、碇君に押し倒された」
「綾波!あれは事故だって」
「そう、あれは事故・・・だから、碇君の意思では、キスもされなかった」
「う・・・非難しているの?」
「いえ、そんな事無いわ」
「この歴史でも、まだキスもされていない」
「ご、ごめん」
シンジは頭を下げて謝る。
「あんたら良くそんな関係11年間も続くわね〜」
ある意味感心する。
「約束された二人だから」
「うん」
(こりゃだめだわ・・)
「・・・・はぁ〜、どっかに良い男いないかな〜」


第3新東京市立第壱中学校、2−A
「今日は転校生を紹介します」
アスカが入って来た。
「惣流アスカツェッペリンです。日独クウォーターですが、出生地はアメリカのためアメリカ国籍です。セカンドチルドレンで、エヴァンゲリオン弐号機操縦者です。皆さん、宜しく御願いします。」
いろんな意味で皆が叫び声を上げた。
その後、男子がアスカに立て続けに質問を繰り出している。
「委員長まで行かせたのは失敗だったのかな〜」
「そうね」
「惣流さんの好きなタイプは?」
「そうね、文武両道で、容姿端麗、性格も良い人かな」
「・・・」
「まあ、私の人生の中でボーダーラインを突破したのは、一人しかいないけどね」
「あのさ、アスカ、僕は駄目だよ」
シンジの顔に筆箱がヒットした。
「分かってるわよ!」
「シンジとレイが相思相愛なのは11年も前から分かってるわよ!」
「碇君」
レイが心配そうにシンジを見ている。
「大丈夫、ちょっと痛かったけど」
その後、クラスは暴走し授業がつぶれた。


ネルフ本部、総司令執務室、
アスカが碇と冬月の前に立った。
「惣流アスカツェッペリン3佐、本部に出向してまいりました。」
「うむ、君には期待している。」
「はい」


その頃、赤木城博士研究室、
「シンジ君、レイ、スーパーコンピューターを作ったそうじゃない」
「ええ」
「名前何て言うの?」
「マギの名前を借りて、MAGI−0って付けてみました。」
「ふ〜ん、人格移植OSねぇ・・今度模擬戦やってみない?」
「良いですね、」
「ええ、何人か職員回しましょうか?」
「いえ、二人でやりますから、そちらも直接管理の3名と、リツコさんとマヤさんだけにしてください」
「良いわよ、」


そして、模擬戦の日、
「赤木博士、これにはどんな意味があるのかね?」
「はい、ハッキングに対する訓練で、非常時にすばやく対応できるようにする目的と、増長している子供を宥める目的もあります」
「二人か・・・確かにな・・・だが、それ以上に、スーパーコンピューターをくみ上げた二人が気にいらないのではないのかな」
「そ、そんな事は有りませんわ」
「先輩、間も無く時間です」
「一斉ハッキング開始!」
「了解!」


綾波研究室、
「さてと、母さんがんばってね」
「お母さん頼むわ」


発令所、
「3次防壁突破!!」
「ダミーがことごとく破壊されていきます!!」
「そんな馬鹿な!こっちはオリジナルよ!」
「メインモニターハッキングされました!」
「何でモニターを?」
メインモニターにバーチャル空間が映し出され、3人ずつのユイとナオコをモデルにいたキャラクターが映し出された。
リツコの眉がピクっと動き血管が浮かび上がった。
ユイ達が一方的に攻撃を掛けナオコ達が何とか防いでいる。
「母さん!絶対に負けないわよ!!!」
リツコがメインキーボードとサブキーボードを二つ同時に鬼のような速さで打ち込み始めた。
ナオコ達の後ろにリツコをモデルにしたキャラクターが現れ、ナオコ達に加勢している。
「第3次防壁まで後退させました!!」
「D26も解放!」
「マヤ!死ぬ気でやりなさい!」
目が血走っている。
「は、はい!」
マヤも半ば恐怖でスピードを上げた。
(シンジ君とレイのMAGI−0はユイ君の人格か・・・これはかなり不利だな)


綾波研究室、
「あれれ、リツコさんだけじゃなくてマヤさんまで出てきたよ」
「碇君?」
「そうだね、僕達も行こうか」


発令所、
シンジとレイをモデルにしたキャラクターが現れた。
「全力勝負よ!!!マヤ!!!」
「はいぃ!」
シンジとレイはナオコ達ではなくリツコとマヤに攻撃を始めた。
「へ?」
「何これ?」
キーボード入力が突然受け付けなくなった。
「まさか!」
「第666プロテクト急いで!!」
「し、しかし」
「負けるわけには行かないのよ!!!」
恐ろしいほどの迫力がある。


綾波研究室、
「第666プロテクトか、」
ナオコ達がバリアーに守られてにやりと笑っている。
「しょうがない、本気出してね母さん」


発令所、
「これで負けは無いわね」
「ひとまず時間は稼げましたね」
「大変です!!!カスパーが精神攻撃を受けています!!!」
「何ですってぇえええええ!!!!!!!!」
ナオコの一人がユイ達3人に言葉による攻撃を受けている。
遂にナオコの一人が泣き始め、バリアーが消滅した。
「拙い!!!」
直ぐにマギは制圧された。


3時間後、リツコが真っ白になって椅子に座っていた。
「先輩」
マヤがリツコを揺すっている。
「・・私達・・・・やっぱり・・・・ユイ博士には・・・・・勝てないのね・・・・私・・・・・私は・・・・求められて・・・・いないって・・」
「先輩!!」
そんな時、シンジとレイとアスカが入って来た。
「やっぱし凄いわよ、あのマギオリジナルに圧勝でしょ!」
「いや、そんな事」
リツコはアスカの言葉に更に沈み込んだ。
「・・あの子が・・・・死んだんです・・・・・・私も・・・・捨てられるのね・・・・・用済みなの・・・・分かっていた・・・・でも・・・・・」
「先輩ぃ!!気を確かに!!」


総司令執務室、
「シンジ、レイ、マギを破ったそうだな」
「うん、母さんの人格を移植した現時点で世界最強のコンピューターだよ」
「ユイの人格を移植した?」
「そう」
「処で、何故アダムの事を知っていた?」
「マギの中にデータを残しておくのは拙いよね」
「うむ」
「シンジ君、MAGI−0をネルフ本部のメインコンピューターにしたいんだが」
「駄目」
「何故だ?」
「お母さんだから、」
「・・・・・だが」
「嫌」
「・・・しかし、」
「司令、私達からお母さんを取り上げるんですか」
又を強調して言った。
「うっ」
「父さん、酷いよ」
「しかしだな、シンジ君」
「ふん!行こ!」
シンジとレイは執務室を出ていった。
「困ったな」
「別に構わん、シナリオには影響しない」


更衣室、
シンジは鬘とカラーコンタクトと白衣と底上げシューズを用意した。
「変装するのね」
「うん」


総司令執務室、
「シンジ、考え」
碇は絶句した。
冬月も口を開けて呆然としている。
「ユ、ユイ、ユイィ!!!」
「父さん!酷いよ!結局、父さんは母さんを独り占めしたいだけじゃないか!!!!」
「な、何を」
レイは鬘を取った。
「ぐ」
シンジは嘘泣きをしながらレイを連れて執務室を出て行った。
「・・・・似てたな・・・」
「・・・・ああ・・・・」
「・・・・どうする?」
「・・・・・・・・問題ない・・・・・・・」


綾波研究室、
「楽しい、私楽しいのね」
シンジは腹を抱えて笑っている。
「レイ、今度は逆やってみようね」
「ええ」


初号機に2人は乗り込んだ。
『綾波博士!』
「私の指揮に於いて初号機を管理しています。全てはMAGI−0により決定されます。貴方達に手を出す権限は有りません」
そして、手を出す権限のある者はまだ誰も再起動を果たしていない。


仮想空間、
「よく来てくれたわね」
ユイが二人を出迎えた。
「母さん」
「お母さん」
「二人とも大きくなったわね」
そして、親子の語らいを済ました後、シンジはユイに協力を要請し、ユイは面白そうと言った表情で答えた。


総司令執務室、
「何だ、シンジ、今度は何を言いたいんだ?」
「お久しぶりです冬月先生」
レイの姿をしたユイが頭を下げた。
すんごい疑惑の視線がユイに向けられた。
「あらあら、そんなに睨んじゃ嫌ですよ」
「ユ、ユイなのか?」
「ええ、今レイちゃんの体を借りています」
「ユイ!!」
碇は立ち上がった。
その瞬間ユイの強烈な視線が射貫く
「貴方、いくら私が中にいるといっても、娘の体に手をつける気ですか?」
「う」
「で、今回私が来た目的は、お説教です」
二人は沈み込んだ。
数時間後、
「じゃ、もう少ししたら、初号機に戻りますから」
碇は引き止めようと立ちあがった。
「ねえ、ひょっとして、いま、レイちゃんなんかどうでもいいから、私がいてほしいって思わなかった」
ユイは笑みを浮かべながら凄まじい怒りのオーラを発している。
警報が鳴った。
『本部施設内でATフィールドを確認しました!!』
「たぶん、模擬戦の影響でしょう、管理をMAGI−0に回してください」
『は、はい』
「貴方、さっきそう考えなかった?」
碇はぶんぶん首を振った。
「そっ、じゃあ行くわね」
そして、二人は執務室を出た。


マンション、
「あのさ、レイなんかいつもと雰囲気違いすぎるんだけど」
「うん、今、母さんに入ってもらってるんだ」
「母さんって、」
「シンジの母の碇ユイです。普段は初号機の中にいます。」
「そ、そうですか」
流石に汗をかくしかない。
「ふ〜ん、貴方がキョウコさんの娘さんね」
「ママを・・・てあたりまえか」
「ええ」
「でも親としては少し悔しいですね」
「え?」
「アスカちゃんレイちゃんよりもスタイル良いから」
アスカの顔がぱあっと明るくなった。
「レイちゃんの偏食が原因ね、」
「そうだね」
「私は170だしリリスは4000くらい有るからもっと大きくても良いんだけど」
「母さん、それは無茶」
「アスカちゃん、キョウコさんはずっと貴女を見守ってきたわ、それに答えるためにも、幸せになってね」
「はい」


そして、翌日にはユイは初号機に戻りレイが戻って来た。