宣伝するよ! 4

思いつくままに書いた関係で、ネタバレ云々はほとんど考慮していません。

なおひどいことに、同人版の結末にもかする程度には触れていたりもしますので、文庫版のみ読んでいらっしゃる方はさらにご注意願います!(書く前に他の方の感想をちらちらと読ませてもらったので、同様のことをされる方もいるかもしれませんし。おまけに同人(Web)版を読まれていない方が結構多い?気もしたので。)
ネタバレを少しでも気になられる方は、今すぐ戻られることを推奨いたします。

というわけで……

迷宮街クロニクル4 青空のもと 道は別れ (GA文庫)」

amazonへのアフィ無しリンクですので、アフィリエイト大嫌い主義の方も安心してどうぞ。

あと、例によってここよりはまだみてもらえるサイトトップのお知らせに入れておきます。

いきなり前回の引用

(下巻(引用しようと過去の日記を振り返って下巻という書き方はちょっとおかしいと今更気づきました。まあ手遅れですが。)に期待したいこと)

>ゴンドラ設置の護衛で淡々と人が亡くなっていくわけですが、

>その中には名前だけでなくストーリーにも結構関わっていた人が多いわけで、

>後一冊あるわけですしその方々の生き様を見せつけてもらえるとうれしいです。(実際にはもう何人かの方はより深く印象に残るようにしむけ(苦笑)られているわけですが。もっともっと!と望みたくもあるのです)

かなったか否か

うん、もう大満足。ここまで変わるのか、と。

主要キャラこそ生死に変化が無かったものの、他はWeb版では結局何がしたかったんだ、この人?という感じの幌村さんさんすら(失礼)美味しいところをかっさらっていくし。

……なんか、真壁君が人間くさくなった分、スーパーマン的要素をまんべんなく分散していったというか。

人間くささ

これは正直Web版を見ていた人間からは賛否両論の部分があるかなーと思うのですが、全般的に「スゲー、この人」とだけ以前感じた人が、本作ではどの人も皆人間くさくなっています。

水上さんにしても、格好良い部分しかなかったのが、探索者に自分の考え方の方が間違っているのでは?と揺さぶられていたりしますし。

圧倒的に強い存在という意味で変動がなかったのは理事たちくらいでしょうか?

最近はあまり読んでいませんがEVAで言うとスパシンものも愛読している身からすると、確かにWeb版のどこまでも冷静な真壁君もそれはそれでしびれるほど格好よくて好きなんです。(「俺を援護しろ」とかその後の水上さんの「本当にいい奴らだな。うん。一人として死なせるのは惜しいな」のシーンは最高です)

でも、同時にこれまたEVAですがこのサイトのタイトルの元となっているようにゲンドウも大好きでして、格好悪いところがあってもいいじゃない、それが人間だものってのもまたいけるんですよね。

こういう人間の強いところ・弱いところを描く「これが(等身大の)人間なんだ」って話へと全体的に(もともと個別に見れば群像劇だけあって、そういうシーンはいくつもあったのですが、主人公格はやっぱりスーパーマン的な意味で優遇されていた気がするので)変化したのは嬉しい誤算でした。

Web版と合わせてまさに一粒で二度美味しい作品になったかな、と。(作者様的にはこういういつまでも比較される楽しみ方はどうなんだろう? と思ってはしましますが、でもついやっちゃう。)

少々個別に

マドンナは相変わらずなんですか、マジ無双。桐原さん、せっかく表紙にまでなったのに……週末冒険者はやはり週末冒険者だったということか。

マドンナに好かれる要素がないなーと思う自分にとって、付き合いやすいのは桐原さんとなるわけですが、それを承知の上で現実世界であっても会ってみたいのはマドンナこと野田双葉さんでしょう。それくらい印象に残りました。

うん、こんな人生もあっていいと思います。

後藤さん、相変わらず格好いいです。若かりし頃の失敗とか自分も下に降りてひとりのオッサンとして雑用しだすとか、本当に魅力的なキャラになっちゃってまぁ……人気投票で誰か一人にしか票を入れられないのなら、私の中で最後まで候補から外れない人でした。

児島さん、元から後輩のために命を賭けられる立派な人だとは思っていましたが、さらに株を上げられちゃいました。送別会でのあのセリフは泣けるね、ほんと。

最後に真壁と翠、個人的には結構くる加筆がありましたが(「抜ける気は無い?」のシーンももちろん良かったのですが、それ以上に最後の「自分は絶対に、一生後悔するだろう」の二行がたまらなかった)、欲を言えばもうワンシーン加筆が欲しかった……でも、そう思えるところで終わるのが華な気もします。

挿絵

いやね、たぶん、このお話を好きになった方のわりと多数は渋〜い系が好きなのだと思うのですよ。

それでも私は津雪さん最高!

しかもついてて欲しい箇所にしっかり入れてくれて作者様、編集様ともども本当にありがとう!

大満足です。

元を知っていたからあり得ないifですが、こういう系統の挿絵でなかったら(例えばハヤカワSFの表紙になるようなカットとか)私は手に取る勇気が無かったでしょう。

最後に

なんとかこの世界観のお話が続かないものか。

そう願ってならない素晴らしい作品でした。

むろん続いてくれれば言うことがありませんが、残念なことにそうならなかったとしても私の中で忘れることはない10時間単位で楽しませてくれた世界でした。

本当にありがとうございました!

これで、サインもコンプリート! そういう意味でも楽しみにしています(笑)

日常

Posted by TTG