お互いの存在がいつまでも幸せであるように・・・

「・・・・はい?お姉さま、今なんとおっしゃいましたか?」
「なにって。今度の日曜、どっかに遊びにいこうって言ったんだけど」
卒業式も近づいたある金曜日。ここは薔薇の館。薔薇の館には今志摩子と聖の2人だけである。祐巳さんは掃除、由乃さんは令さまと剣道部へ、祥子さまは日直の仕事。志摩子は環境整備委員会がなかったので早々と掃除を終わらせて薔薇の館に行った。
二人分の紅茶の用意をしていた志摩子は動揺と驚きという二つの感情におそわれていた。
今まで姉妹でデート、というモノをしたことがないというのも確かにあるけれど。それ以前にデートに行ったとして行った先でいったいどんな会話をすればいいのか・・・。
「・・嫌なら断ってもいいけど?」
「い、いえ!そういうわけではないんです」
「じゃ、OKって意味?」
「は、はいっ!」
「・・・じゃ、紅茶を持ってきて。色々相談したいことがあるし」
それから外が薄暗くなるまで志摩子と聖はデートの予定を話し合った。